2015年4月21日
akira's view 入山映ブログ タクシー
以前から不思議に思っていたのだが、このご時世になぜタクシーの台数規制なるものがいまだに必要なのだろう。料金の方は、まあ法外な値段を吹っかける向きがあるといけないから、と上限規制や罰則を設けるのはわからないではない。(下限規制というのは別な話だ。)何も市場原理主義風に、自由参入、自由退出こそがあるべき姿で、それに対する規制は許されない、などと大上段に振りかぶるつもりはない。一定の安全基準や、事故時の乗客救済策などは規制しておいていただかなければ安心してタクシーに乗れない。しかし、需給がタイトになれば参入者が増え、逆に需要過多になれば退出者が増える、という経済論理のABCがタクシーほど実現し易い業界は稀ではないか。
そもそも営業ナンバー取得が利権化しているからこそ、いったん取得した権利を(利益が出ないにもかかわらず)返上廃業しようとは思わない。逆に増車すべき客観情勢になっても常にワンテンポ、ツウテンポ遅れた対応になる。バブル華やかなりし頃、乗車拒否だなんだと大騒ぎになったのをご記憶の方も多いだろう。諸悪の根源は、台数規制、つまり自由参入、自由退出ができないところにあるのは明白ではないか。挙句の果てが、今回はタクシー運転手の待遇改善に名を借りた減車をするのだという。統制経済の夢忘れられぬ役人が存在するとはさすがに思わないが、業界と結託してタクシー営業の利権化に奔走しているとしか思われない。
小さな政府といい、予算規模縮小という。それがいかにかけ声倒れかはこの一事を以て明らかだ。改革には痛みを伴うとはいつか聞いた台詞だが、利権擁護の業界と官僚のスクラムにこそ、ぜひ真っ先に「痛み」を感じていただきたいものだ。
2009年 06月 20日