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2015年4月23日

akira's view 入山映ブログ 総選挙(2)

 選挙前のバラ撒きもいよいよ堂に入ってきた。今度は骨太2006の社会保障費1兆2千億、年度あたり2200億の削減やめた、ときた。財政再建派のあの方も、自民党の良心に期待する、となにやら蟋蟀めいた台詞だ。負けじと民主党も農家の所得補償だ、なんだ、と言い募るから、これが世界断トツの財政赤字比率を持ってなる国の政治だろうか、と空恐ろしくなる。

 ひとつには全く説明がない。2006の時にだって、ただ闇雲にぶった切った訳ではない。「聖域」なし、とはいったが、ひと通りの理由付けと説明はあった訳だ。それのどこがどう変わったか、どの前提条件が崩れたか、には
一切触れないで、「社会保障の年度自然増が8千億から1兆円ある中では持たない」というのでは説明になっていない。というよりおそらく説明能力が自民党にはない。米国のように民間非営利組織としてのシンクタンクが政策提言を活発に行うような風土が日本にはない(構想日本などのごく一部の例外を除いては)から、いきおい政策策定は霞ヶ関の官僚群と、彼らのお眼鏡にかなった御用学者の一群(これはビスマルク以来常に存在する。別に悪い事ではない。為念。)が取り仕切ることになる。

 本来、セクショナリズムに陥りがちな官僚たち(ちなみにこれは官僚の第二の天性で、別に悪い事ではない。為念。)をマクロな視点から脅したりすかしたりして、政治理念で引っ張ってゆくのは政治家の筈だ。それがなんと情けない事に、タテ割りの官僚機構と利権構造に絡めとられた「族」議員が跳梁跋扈する。なんのことはない政と官が癒着してうまい汁を吸う、という仕掛けが(国民を除く)みんなのために出来上っているんだから、これが変わる訳もないし、変える動機を持った人が存在する訳もない。

 およそ公益は国家が、すなわちその忠実な雇われ人である官僚が独占するものだ、という歪んだ世界観がおそらくこの数百年に亘って定着してきた。骨っぽい政治家というのが彼(女)らにとっては一番煙ったい存在だが、最近ではそんなのはそもそも余り存在しないし、多少その気配があれば丸め込むのは最も得意とするところだ。タテ割りの利権構造、カネのかかる選挙、というのはかくして官僚制維持の二大要素になる。本来最も脅威である筈の民間公益活動というのは、法律によって骨抜きにしてあるし、最近少し活発になってきた気配を感じれば、いち早くとんでもない公益法人制度改悪を行って息の根を止めにかかる。腹に据えかねて一冊本を書いてみたのだが、内容が過激すぎたか出版社が見つからない。読者のどなたかに紹介していただけないだろうか、とこれはコマーシャル。

 さて、それでも諸事万端順調に推移している時はそれでもまあよかった。どだい官僚というのは前例尊重、単年度主義というのが刷り込まれた遺伝子だから、どんなに現状維持能力では優秀でも、変化とか創造について新しい知恵を出す、というのにはまるで向かない、というよりなまじそんなことをされたら皆が迷惑する。それが挙句のはてのこの有様だとしてみれば、ここは民主党にやらせてみては、と考えたくもなる。まずまちがいなくミイラ取りがミイラになるだろうか。で、そこで時間稼ぎをしているうちに民間の知恵を結集する仕掛けを作り上げるほかはない。その仕掛けについてはいづれこのブログで触れてみたい。ぜひ読者の皆様の意見も聞きたし。

2009年 06月 23日



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