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2015年5月12日

akira's view 入山映ブログ 都議選

 果たせるかな、というか、予想通りというか、東京都議選では麻生総裁をいただく自民党が大敗した。二大政党(たとえ擬似的であるにもせよ)のもとでは、一方のチョンボは他党を利する。今度はどっちもどっちみたいなところもあったが、片一方が神妙に非を認めないでもないのに、もう一人は相変わらずの能天気で裸の王様をやっていた、というのが最大の違いかもしれない。

 とはいえ、これが勧善懲悪みたいな結構な幕切れになったかというと、浮かれてもいられない側面がいくつかあるように思う。その一つは、地方自治体選挙が、国政選挙のミニチュア版、あるいは焼き直しで良いのか、という点だ。今回みたいに、国政を巡っての信任投票が間近だと、どうしてもその色彩を帯びざるを得ないのはやむを得ないが、本来身近なところで「公」に関する草の根の言い分をくみ上げることに専念して来た組織が、中央政党の下請け、上意下達・下意上達みたいな機能部品にとってかわられてしまうのは、日本の市民社会にとって由々しいことではないのか、と思う。具体的には、「生活者ネットワーク」の壊滅であり。一人運動でユニークな実績を持った「行革110番」の落選である。もしかすると、そんな活動は区議会レベルでしか生き残れなくなったのかもしれない。しかし、国際収支がどうだ、負債残高がGDPを超えた、超えない、という議論とともに、それが身近なところでは何を意味し、どう対応するのかを翻訳する「術」に長けた人も必要だと思う。国政のスローガンの焼き直しをオウムのようにさえずっている、という政党のありよう(身の回りで既視感にことは欠かない)にはいささかならず違和感と危機感を覚える。

 もちろん、政党の地方支部がその機能を果たせない理由はない。しかし、タレントもどきにどっと票が入り、それをあてこんで政党がすり寄る、という構図は(別に悪いわけではないにもせよ)そうした地道な活動に対する地方支部のインセンティブを限りなく減殺するものであろう。犬が西向きゃ尾は東、という訳にはなかなかまいらない。してみると、政党というものは本来そういうものだ、と割り切って、それと限りなく異質の市民活動を物心ともに支持する、という以外の選択肢はないのだろうか。そうした市民活動も、いつしか自らの望むところを政治に反映させるべく政党化してゆく、というも我々は過去に見ている。とすれば、ここは両者の融合しかあるまい。それに早く気づいて、「浮動票」(とこれまで思われていた部分)の取り込みに一歩先んじた方が、次の次位の選挙では勝者になるのではないか。それとも、あいもかわらぬムード選挙で、今回はお笑い芸人、次回は大学教授、その次は・・・とタネを変えてこの趣向は続くのだろうか。

2009年 07月 13日



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