2015年5月19日
akira's view 入山映ブログ お役所仕事
朝日新聞(7月24日夕刊1面)によれば、難民に対する1日1500円の生活費と、上限4万円の住居費の支給が、「予算が足りず(中略)絞り込まざるを得な」いために、100人が支給を打ち切られる一方、諸外国に比較して極めて狭き門であると悪名の高い日本の難民認定だが、それにも関わらず申請は千人を超えているという。
一日1500円の生活費とは年額55万円弱。住居費の上限を加えても60万円(記事だけからでは明らかではないが、仮に住居費上限が月額としても100万円強)の話だ。支援を打ち切られた100人の支援額は1億円の話である。まあ、塵も積もればということもある。一件それ自体は小額だが、予算事情ということならそれはそれで気の毒ではあるが仕方がないか、となりがちだ。しかしこれがいかにとんでもない誤解かは、この事業を受託している外務省の外郭団体「難民事業本部(RHQ)」のホームページを見ただけですぐ解る。この外郭団体は年間5億を超える難民事業を受託している。その大半4億6千万円ほどが外務省(他に文化庁、厚生労働省)からのものだが、その使われ方を見てみると、実際に難民の手に渡ったと思われるのは「生活援助」と、ひいき目に見て「教育訓練」の8千万強。残りは人件費・庁費(?)・事務所費等などの間接経費に消えている。さらに、この団体は使い残し、つまり前年からの収支差額の繰り越し分がなんと2億4千万円ある。先に触れた生活費、住居費にあてればよいものを、楽しく外郭団体が使ってしまったり、後生大事に金庫にしまっている訳だ。
それだけではない。このRHQはアジア福祉教育財団というこれまた外郭団体の下部組織で、この財団本体の年間予算1億7千万円ほどのうち、管理費に5千5百万円を使っている。(ついでにいえば、使い切れなかった前年からの繰り越しはここでも年間予算とほぼ同額ある)ホームページには、職員数や天下り数、平均給与等は掲載されていないが、それでもこれだけのいい加減な予算管理(という名に値するかどうかは別にして)が明らかになる。予算の執行をお役人の手に委ねると何が起るか、これは九牛の一毛に過ぎない。本当に難民のためになる予算執行がしたかったら、今すぐにでも民間の手に委ねることだ。ただちに予算不足で支給されなかった難民の懐は暖かになることは請け合っても良い。くどいようだが、ことは難民だけではない。朝日も難民記事を一面に掲載して人道派ことなれりではなく、こんな簡単なウラ位はとって報道してみてはどうだろう。読者の方もこんな記事を読んでホロリとして、難民予算を増やさなければ、なんて思わないことだ。今度の選挙の争点の一つは、こうした言語道断のムダ遣いを廃するところにある。
2009年 07月 25日