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2015年6月3日

akira's view 入山映ブログ 上野(1)

 お盆の二日間を上野の森で過ごした。といっても別にテントをはって野営した訳はなく、一日目が博物館と奏楽堂、二日目は文化会館の「眠れる森の美女」と御徒町までのあめよこ散策だ。

 博物館の方は伊勢神宮御物の展覧会で、日本書紀の写本の現物なるものを始めて見た。(古事記の方も展示されたらしいのだが、生憎訪れた日は展示されていなかった)ガラスケース越しに、書いてある漢字の大半は読める、というか何の字かは解る。が、何が書いてあるかは全く解らない。やれやれ。この時代にタイムスリップしたら、街で会う人々と会話ができるんだろうか、などとしようもないことをふと考えたりもした。変わってしまいましたね、まるで解りませんね、の逆に変わらない方でいえば、神仏融合の鮮やかさだ。伊勢神宮の御物だから、どう考えても神像なのだろうが、どう見ても仏像だ。中には日蓮みたいな勇ましいのも後に出たりするが、おおむねわが国民は宗教の差異には極めて寛容だったように思う。超越者と風土は密接に関係するという議論もあるからナンセンスかもしれないが、日本人が中東の地に発祥していたら世界の歴史もかなり変わっていたかもしれない、などと思ったりもする。

 上野の博物館のいいところはトイレの数がやたらに多く、何れも清潔なことだが、今回もう一つの魅力を見つけた。入って左手の突き当たりにある法隆寺の博物館の中にあるホテルオークラのテラスレストラン。メニューの品数が少ないのは場所柄やむを得ないが、雰囲気も、値段も、そして味も結構なものだ。これまで昼飯の場所に苦労していたのが解消、といっても平日でなければ大混雑なのだろうとは思うけれど。

 奏楽堂。正確には元東京音楽学校(芸大の前身)に明治23年に建てられた日本最古の西洋音楽のコンサート・ホールだ。それが昭和40年代の終わり頃、あの頃のはやりで旧い建物をぶっ壊して味も素っ気もないコンクリートの塊にされそうになった。幸い保存運動が起り、敷地を巡ってすったもんだの末に、芸大構内は無理ということで芸大正面の現在の場所に落ち着いた。実は明治村に、という話もあったらしいが、現在の位置がそれに較べてどれほど優れているかは、一度でも奏楽堂でのコンサートに行ってみられたらすぐ解る。建物が生きている、というのはこういうことをこそいうのだろう。ちなみに奏楽堂はじめ幾つかの由緒ある建物を維持管理する台東区の財団がある。行政も粋なことをするもんだ。奏楽堂は昔のままの保存だから、トイレも(水洗にこそなっているが)「便所」とくる。二階に上がったところに立派な「理事長室」というのがあるが、さだめし天下りの方が時々おいでになっているのだろうか。

2009年 08月 16日



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