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2015年7月8日

akira's view 入山映ブログ 公益

 公とはム、すなわち私を、ハで否定するという語義だと読んだことがある。してみれは、公益とは私益に対する表現として立派に成立する訳だ。おそらくは public interest の日本語訳だろうくらいに考えていたのだが、もしかすると漢籍に出典があるのかもしれない。読者諸賢の中にご存知の方があればご教示いただきたい。で、公益とはひらたくいえば「世のため、人のため」、つまりお身内や一身の利益ではないことのためにつくす心意気だろう。ならば、何が公益で何がそうでないかをお役所が決める(人呼んで国家公益独占主義)、といういまの公益法人制度のあり方はおかしい、という主旨の論陣をあちこちではってきた。民間の手によって公益のかなりの部分が担われる、ということは、お役所仕事の弊害を打ち消すし、税金の使い勝手としても大変良いものになるのではないか、という訳だ。

 だからこそ、今回の公益法人制度の改悪には異論を唱えたし、いまだにお役人が民間「統制」を試みる、というのは時代錯誤も甚だしい、とも述べてきた。要するに公益法人制度を民の手に取り戻そう、と考えてきた訳だ。しかし、今回の仙谷由人大臣の所管するお役所外郭団体潰しなどを報じるマスコミの論調を見ていると、税金浪費、お役所べったりの天下り受け入れ公益法人というイメージはほとんど抜き難いものがあるように見受けられる。ならば、公益法人を民の手に、などというのはすっぱりと諦めて、公益法人制度などという手あかのついた制度は全廃する。それに代わって、非営利法人制度であれ、非営利会社制度であれ、いうところの「公益」を民の手によって実現してゆく仕組みを新しいネーミングの下に発足させた方がよいのではないか、と考えるようになった。

 考えてみれば、永年にわたって誤用され、あるいは本来の意味を離れて使用されてきたコトバを、本来の意義に立ち戻らせる、などということにエネルギーを使うよりは、新しい革袋を用意してそれに酒をつめる方が遥かに得策なのかもしれない。仙谷大臣には公益法人は全廃していただいて、民間活力を十二分に生かす新制度を考えていただいた方が生産的かもしれないということだ。すぐに思いつくのがNPO法人だが、残念ながらこれも正式には「特定公益増進法人」ということになっており、何が公益かはオカミが決める、という残滓がそこここに見えている。官から民へ、という民主党のスローガンがタテマエだけのものではない、と証明する為にも、ここはぜひ新法人制度を作り上げてほしいものだ。

2009年 09月 25日



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