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2015年7月14日

akira's view 入山映ブログ 事業仕分け

 「構想日本」については、これまでにもこのブログで度々取り上げた(8.12.22「予算・増税の虚妄(2)」9.8.4「マニフェスト(2)」など)。日本における代表的民間非営利組織のシンクタンクだ。構想日本が2002年以来各地自治体を中心に行ってきた「事業仕分け」は、自治体の仕事のうちから「こんなものいらない」を選び出す手法として、固有名詞になるくらい有名になった。かつての自民党も、そして現在の民主党政権もこの手法には信頼を寄せている様子で、構想日本のリーダー加藤秀樹氏が此の度行政刷新会議事務局長として白羽の矢がたったのも、このプロジェクトに起因するところが大きいと考える人も多い。その説明会が開かれたので出席してみた。

 今回の説明会は、事業仕分けの概要について加藤代表自らが約三十分ほど説明し、それにQ&Aが続く、という簡単なものだったが、明快な説明で、筆者自身おぼろげにしか理解していなかったこの事業の意味が少しはっきりしたように思うので、ぜひ読者諸氏とそれを共有したいと思う。そもそもこの事業は、その名が示すように、小さな自治体でも1.000ほど抱える「事業」の一つ一つをテーブルの上にのせて、その必要性、事業の主体は誰であるべきか、仕事の中身(規模ややり方)について検証する作業である。その検証の過程に工夫があって、まず公開の席上で行う。つまり、多くの評価作業や審議会・諮問委員会の類いが非公開、いわば密室で行われているのに対して極めて透明性が高い。さらに、説明当事者が当該市町村の事業担当者であるのは当然として、構想日本で「仕分け人」と呼ぶ事業仕分けチーム(その多くは自身地方自治体の担当者で、業務内容を知悉している他、事前にしっかりしたトレーニングを受けているという)が相対面する形で進行する。

 作業の流れは、検事対弁護人の様な「対決」を想像される方があるかもしれないが、全く違う。いわば「一緒にこの事業の意義を考えましょうや:とでも言うべきスタンスで、やっぱり誰が見てもどうにもならないものは苦笑しつつもそこに落ち着くし、それなりのものはそれなり。灰色の部分が残ることもあるが、それはそれで違った意味での合意点になるのだという。いわば事業存続の可否を前提にした結論誘導型のプロセスではない。筆者も一度だけ傍聴したことがあるが、この雰囲気は百聞は一見。構想日本のホームページ(http://www.kosonippon.org/)が随時公開している機会を捉えて参加されてみることをお勧めする。

 参加型の民主主義とか、行政の透明性とか、お題目を説く人は多い。そしてその多くはそこで止まってしまう。具体的にモデルを作成し、費用を捻出し、当事者をその気にさせる「仕掛人」がいて、それが事業仕分けのような形で結実して始めて意味が出てこようというものだ。こういう仕事ができるのは、民間非営利団体しかない。今回公益法人制度改悪で民間非営利組織の息の根を止めるのに行政官庁が熱心だった理由も解ろうというものではないか。

2009年 10月 03日



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