2015年7月15日
akira's view 入山映ブログ 入院記
久しぶりに書いています。しばらく休む、と書いただけでカンのよい読者の方からはいつものお休み告知とトーンが違う、と見破られてしまいました。怖いものですね。入院加療のお休みでした。筆者にそもそもその気がないのか、入院中というのは時間だけやたらある割に、まとまった本が読めないのですね。代わりに新聞を隅から隅まで読んだり、地上波(しか入りません)テレビの番組にいかに下らないものが多いかを再認識したり。小人閑居すれば不善をなすしかない、というのを地でいったようなお話でした。そんな訳で、今回は病院ネタに終始しようと思います。
月並みですが、病棟の看護婦(ではなかった。看護師)さんのお仕事ぶりには頭が下がります。仄聞する給与水準と、労働環境・条件を考え併せると、その感は一入というべきでしょう。二十四時間の介護にもいえることだと思うのですが、労働に貴賎はないないにしても、より報われるべき仕事とそうでない仕事がある、ということを実感します。とかく労働力とか、有効求人倍率とか抽象的に労働をとらえがちで、そのうえ、社会保障関係費用の増大は財政を危うくする、などとは軽々にいわないことだ、と思いました。実体験をしなくとも事情を理解できる、というのは凡人には中々難しい。たまには入院もしてみるものだ、と思います。読者の皆様にもぜひお勧めします(悪い冗談)。
それにひきかえ、というと語弊がありますが、同じ病院でも事務職員の皆さんは少し違った世界に住んでいらっしゃるようにお見受けします。例えば退院時、丁度勤務シフトの終わりの時間にさしかかっていたこともあって、退院清算の窓口は生憎一人になってしまいました。大病院でしたので退院者は長蛇の列。名前を呼んでもらうのを根気よく待ちます。もともと大病院はご承知のように診療を受けるのも一日仕事ですから、皆さん待つこと自体にはほぼ諦観の面持ち。しかし、おもしろいことに、一人で退院患者をてんてこ舞いでさばいている窓口のすぐ隣で、さっきまでずらっと開いていた窓口の事務職員の女性十数名が、あれは点呼というのでしょうか、ミーテイングというのかな、にぎやかにボスとおぼしき人を中心に語らっています。これが待っている小一時間延々と続くのです。
たまたま入っていたのが私立病院ではなかったからこじつけるわけではないのですが、一般の公務員、あるいはお役人のエトスというのはこういうものだと思います。そもそも、なにが異常か、ずれているのかを感知する能力が欠如しているのですね。定められたことを定められた通りに、昨日そうであったように今日もやっている。それで何が悪いのか、という訳です。これをぶちこわしにかかっている民主党のようですが、お身内に官公労もいらっしゃること。なかなか一筋縄ではゆかないでしょうが、ここは妙に斜に構えないでぜひ健闘を期待したいものです。
2009年 10月 12日