2015年7月30日
akira's view 入山映ブログ 予算編成(2)
まだ始まってもいない臨時国会での予算審議に予断を与えるようなことを断言したりするのは、極めて不適当なのは百も承知だが、余りにも自明なので一言「予言」しておきたい。当たるもなんとやらのご愛嬌、というには余りに重い話題だが。
民主党がマニフェストを額面通り実行したら、財源なんかどこにあるんだ、国民を甘言をもってたぶらかすのはよろしくない、とは選挙時からの自民党のいい分だった。それに対して民主党は、水ぶくれ、既得権益まみれの予算を揺さぶれば、そんな財源はいくらでも出てくる、と答えたのは記憶に新しい。それが、まあ時間がなかったせいもあるが、補正で出たのはやっと3兆円。7兆円とも10兆円とも言われるマニフェスト実施財源はいまだ見当もついていないようだ。その上税収も大きく予想を下回る、ということになると、何のことはない、史上空前の赤字国債を発行せざるを得ないことになる。借金による口当たりの良い公約実行という話だ。
これを避けようとしたら、民主党の取る途は二つしかない。一つは、断固7兆円か10兆円を揺さぶってひねり出すことだ。そんなに難しいことではない。八ツ場ダムと同じように、これまでムダの多かった政策・施策を執行停止すれば良い。それも簡単で、ぶら下がった外郭団体が執行している予算を一つ残らず止めれば良い。もちろん「傷み」はある。福祉介護を食い物にしていたり、セメントや砂利を食べていたり、ODAにぶらさがっていたりする外郭団体をつぶせば、外郭団体の雇用問題は起るだろうし、末端のおこぼれを頂いていた受益者も痛む。苦情も非難も出るだろう。しかしこれは短期的には「事業仕分け」よりも、はるかに手間ひまかからずに成果を上げることは確実だ。
オカネをひねり出せなかったら、マニフェストの実施を諦めることだ。もちろんこれをやれば、自民党はかさにかかっていびりあげるだろうし、一般大衆からも失望感の拡大は避けられまい。四年後にどうやってもう一回選挙に勝つかは、さしもの小沢さんだって苦労するかもしれない。(ま、彼にそんな知恵だけを絞っていて頂いた方が世のためかは知れないけれど。)国民新党と社民党との連立もおかしくなるかもしれない。でもそれは悪いことばかりでもあるまい。「みんなの党」とか、幾つかの選択肢はない訳ではない。のみならず亀井さんとの同盟は、必ずや他日民主党の致命傷になることを予見しておいた方が良いだろう。それに較べれば、マニフェスト遵守で金縛りにあっている体質からの脱却というのははるかに民主党を利するものだと思うのだが。
2009年 10月 27日