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2015年8月27日

「精神と芸術」座談会 (1)


―健全なる精神と健全なる身体―
出席者 亀井勝一郎・島崎敏樹・丸山薫・斎藤玉男・荻野彰久
(東京 荻野邸にて)

荻野 今日はひとつ、健全なる身体に健全なる精神が宿る、肉体の健全さと精神の健全さ、つまり、精神の所在と肉体との関係、ということについてふれていただきたいと思います。このパーゴラという雑誌が、もともと、そういう精神的方面と肉体的方面のジョイントになればと思って始めましたようなわけで。余り固苦しい話になりますと、なんですから、一つ御自由におっしゃって頂きたいと思います。
亀井 健全とは何か、むつかしい事ですね。その意味だけでも。(笑)
島崎 ベートーベンの音楽を聴くとねえ、あれはとても健康でね。憂鬱な時やり切れない時、あれを聴くと、カタルシスになる。それで、皆さん、スカッとしちゃうでしょう。だから、あれ自体ねえ、非常に健全で。しかし、べートーベンの人柄というものは不健全の典型みたいなものですね。彼はもう、しょっちゅう肝臓も悪いし、耳も聴えないので、常に気が焦々していて。遺書にもそんな事まで書いているでしょう。
亀井 健全なる体をもっていますと余り健全すぎて、皆トロトロしてまどろんで、何も作れなくなるんでしょう。どうでしょうか?
丸山 音楽でも、文学でも、それが作られる時は、何か不健全な状態にあるような感じが、何時も私はするのですが、そうでないと健全なものすらもできないような感じがしますね。
島崎 余り、調和的に静かに安らっておりますと、それがまあ健全なのでしょうが、何も生れてこないような。何か自分で自分を喰いあらして、そんなところから何か作品が生れて来るんじゃあないかと思います。



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