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2015年9月7日

akira's view 入山映ブログ 名古屋

 今回はアフリカをお休みにして名古屋の話にする。といっても山本家の味噌煮込み(余談だが神田に支店が出来た)ではなくて、河村市長と市議会の軋轢の話だ。このところ元気のよい地方の首長が続出しているのは結構だ。名誉職に毛の生えた程度のポストで、中央官庁の意のままに顎で使われている、という一頃のイメージとは様変わりだ。自民党政権時代からいわれ始め、民主党になって弾みのついた地方分権の話は、こうした実行力と意欲のある首長あって始めて意味を持つことになるのはいうまでもない。ただし、民主党が参議院で手を焼いているように、意欲的な首長が旧態依然たる(というのが言い過ぎなら、意欲的な首長に必ずしも協力的ではない)議会の抵抗に遭遇する、という図式もかなり一般化しているようにみえる。

 国政にあっても「族議員」が輩出した(過去形かどうかいささか疑わしいが)のは記憶に新しい。それが地方自治体になれば、権益の現場と利害関係者、さらには議員の関係がより近接し、密接の度合いは(一件あたりの規模は別にして)国政の比ではない。地方議員が全て族議員まがいだというつもりはない。地方自治体の問題自体、より具体的で個別的になるのは当然だから、とりもなおさず全当事者が問題の解決の現場にいる。そうなれば利害調整機能を果たすことを求められるのは見易いだろう。いうても詮無いことかもしれないが、そのあたりの意識を抜きにした地方分権には弊害の方が多くなる可能性がある。お節介で、何にでも指を突っ込みたがる中央官庁のくびきを離れて、地方主権が確立されても、それに代わって妙な保守勢力が立ちはだかったのでは、結果はより悪くなるということだ。一般的に見た地方公務員の資質の問題、採用ルートの問題を考え併せればその感は一層だ。

 その意味で、地方議員のボランティア度を上げよう、という今回の河村市長の意見は傾聴に値する。地方議員が職業化、まして家業化したりすることの利害得失はもっと議論されてよい。意欲的な首長と保守的議会という二項対立だけが図式ではあるまい。しかし、この最悪の組み合わせに対する回答を用意しておかなければ、地方分権とか地方自治というのは絵に描いた餅だ。民主主義という呪符にはおそろしい側面があり、首長が民意を代表しているのなら、地方議員も民意を代表している、という論理に真っ向から対抗することは出来ない。また、すべきでもないだろう。しかし、人間に歴史に学ぶ能力があれば、ヒットラーは民主主義によって選ばれたが、同時にそれを打ち砕いたのも民主主義であったことを想起するだろう。そんな大げさな例を引くまでもなく、日本の地方自治がどちらのケースになりそうか、というのは賢明な有権者はとうに知っている。

2009年 12月 14日



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