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2015年9月8日

akira's view 入山映ブログ 名古屋(2)

 昨日のブログ「名古屋」について読者の方からご批判を頂いた(出来ればブログ上で頂けると有難いのだが、コメント欄のフォーマットが長文に適さないのだろうか。)。要旨は、地方分権について予想される、あるいは蓋然性の高い欠点を指摘することは、中央集権、あるいは官僚中心のこれまでの行政の擁護という副作用があることにもっと気を使うべきだ。大事の前の小事をあげつらうことは利敵行為でさえある、という内容である。これは極めて重要な内容を幾つか含んでいるので、正面切ってお答えするのが義務だと考えた。よって、アフリカはもう一度お休みして、このご批判に対する意見を述べてみたい。

 このご指摘は二つの含意がある。一つはある現状改革イシューについての異論というのは、改革の方向性に対するネガティブな効果があり、結果守旧派を利することになる、という点。第二は、逆に改革イシューのうち、必ずしも適切ではないものに支持を表明するのは、かえってことを誤らせる、という点だ。第一の方は解り易いだろうから解説を要しないので後回しにすることにして、第二の点というのは今回の名古屋に関する限り、議員のボランティア化は決して望ましいものではなく、この言説を支持する、というのは結果として地方分権そのものを危うくする、というご指摘である。

 議員ボランティア論の前提としては、地方議会の議員数があれほど沢山必要なのか、さらに、その報酬レベルは果たして妥当なのか(真偽は詳らかにしないが、河村市長は名古屋市議の報酬は手当などを含み年収2千5百万円だとコメントしていた)という二点が問題になる。それは個別に各種事情を勘案して判断されなければならないだろうが、本質的にはこれは地方固有の問題ではない。国会議員にしてもあんなに沢山必要なのか、その報酬は妥当なレベルか、という問いかけは当然なされなくてはなるまい。それに答えた後で、果たしてそれだけの数の適切な資質を持った人間が用意できるか、あけすけにいえば、それだけの人材が日本の中に(国政の場合)、あるいはある地方自治体に(地方の場合)いるか、またそんな資質を持った彼(女)たちが議員という考えようによっては不安定な職業を選択するだろうか、ということである。

 これは相当な質問であって、ノーと答えようものなら、これまでの憲政の歴史は何だったのか、ということにもなろうし、一体そんな判断を誰が出来るというのか。普通選挙というのは、その判定を民意に問うという行為そのものではないか、という反論が直ちに予想される。この吟味を終えて始めて住民参加と行政意思決定プロセスをどう組み合わせるか、さらにはそのコストの議論になるだろう。前者に就いていえば、筆者は地方議員のボランティア化に賛成である。少なくとも半数程度はそうしてみてはどうかと考える。諸兄姉のご意見はどうだろうか。

2009年 12月 14日



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