2015年9月15日
akira's view 入山映ブログ 鳩山さん(2)
いろいろご苦労の絶えない鳩山さんだが、敢えて死んだ子の歳を数えれば、ムダを削れば出てくる筈の7兆円が、その十分の一程度に留まったところにそもそもの誤算があったと言えるだろう。河野太郎氏の発言(前回ブログ)の通り、仕分け人の切り込み不足は否めない。その原因の最大のものは、小沢幹事長の鶴の一声で激減した仕分け人の頭数であるのは明白だ。新人議員研修とやらの代わりに、仕分けの速成研修でもやっていれば、少しは話が変わってきたように思う。いわば仕分けという立ち技による予算カットに代わって、小沢さんがおやりになったのは、地方陳情の一元化とやらで、お馴染みの「聴いて遣わす」スタイルで取りまとめ、煮え切らない鳩山さんに代わって(と報じたマスコミも多かった)予算カット、あるいは歳入確保を「党の要求として」ぶっつけた。
何とも旧い。再三このブログで指摘しているように、民主党のイメージとそぐわないことおびただしい。仕分けそのものには、その削減実績とは別に素晴らしい政治的効果があったと思うから、あまり足を引っ張るようなことは書きたくないが、かっこいい蓮舫さんたちの大奮闘にもかかわらず、重箱の隅に陥って、大魚を逸した観は否めない。外交ジャーナルとか、国際問題研究所といった、外務省の仕事の中では比較的筋の良い事業があえなくなったのに比べて、その十倍のオカネを遣う、しようもないOB雇用のために一日中事務用品の棚卸しだけやっているしか仕事のないような外郭団体(具体名は差し控えさせて頂く)がお目こぼしにあづかっている、というのはその一例だ。なぜそんなことになったか。再び最大の理由は、下ごしらえと資料作成を財務官僚の手に委ねざるを得なかったことであろう。とかく優柔不断のそしりを免れない鳩山政権下で、これまでのところ唯一のクリーンヒットだった事業仕分けだっただけに、これを単なるスタンドプレイだと思わせる、というシナリオを書いた人の思い通りにさせてはいけない。
ムダはあるし、それが数千億程度の桁のものではない、というのは少しでも事情を知っている人なら誰でも納得する話だ。それを知ったうえで明るみに出すまいとする既得権益とそれを支える体制に、あの幹事長が、あるいは財務省官僚が何とおっしゃろうが、民主党には向き合って欲しいものだ。死んだ子を死んだままにしない知恵はいくらでもある。いまさら蒸し返しても仕方がない日米安保の話や、マニフェストの議論よりも、出来ることの方に集中なさってはいかがかと思う。
2009年 12月 23日