2015年9月16日
akira's view 入山映ブログ 鳩山さん(3)
秘書の在宅起訴を受けての鳩山総理の記者会見を垣間みる機会があった。なんでも総理としてではなく、一国会議員としての会見とやらで、場所も総理公邸ではないという。ご本人は大真面目で一本筋を通しているおつもりなのだろうが、ほとんど笑止千万の域を出ない。のみならず、会見そのものもご本人がお認めになっている通り、うじうじ・ぐずぐずに終始する。再びご本人は細部まで疎かにせず「説明責任」をお果たしになっているおつもりなのかもしれないが、一言で言わせて頂ければ「かったるい」。啖呵好きの江戸っ子ならば、この後に定めし罵詈雑言が馬車で付いてくるのだろうが。
大方の関心というのは、鳩山氏が野党時代に、秘書の責任は代議士の責任。自分にそんなことがあったら議員を辞するみたいなことをおっしゃった。その落とし前をどうつけるのか、という一点にあったと言ってよいだろう。どこかの土建屋から袖の下まがいの献金を受けた訳でなし。身銭と母親からの贈与だというのだから(とてもではないが市民の金銭感覚では付いては行けないが、まあ、日本にもそれなりのお金持ちはいる、ということだろう)スジの悪いオカネではない。そんなことは先刻ご承知である。まさか贈与税を免れたくて内緒にしたんだろう等と真面目に勘ぐる人もいない。にも関わらず、この点に関する正面切った回答はなく、ただ総理(あるいは議員?)を辞するつもりはない、とコメントするに留まったようだ。それはないよ、と申し上げるべきだろう。
これまでのブログで書いたように、鳩山さんの言動にはいささか「宇宙人」的なところがある。本人が意識しておやりになっているのなら、これは相当な狸だが、どうもそうではないようにお見受けする。ご自分が私心なくわが国のために「かくありたい」と思えば、鳩山さんが思っただけでことはそのように進行するのだ、という不思議な信念をお持ちなようだ。八方美人なんて言うのはとても無理だとか、支出が収入より多かったら異常だとか、そんなことは百も承知だが、念じていれば途は開けるとお考えになっているとしかお見受けしない。こんな指導者を持った日には、有権者はたまったものではない。ならば、指導者のそういう思考回路の途中で安全弁が働くようにするのが周りの責任ではないのか。それが出来ている、あるいはしようと思っているのが小沢幹事長一人に見えるのが民主党の問題点だと思う。
御神輿として担ぐのにこれほど素晴らしい人もいない、と考えている人もいるのだろう。しかし、有権者はそれほど我慢強くない。考えていることを考えているままに表現できるような風土を整える時期は、意外と近いのではないかと思う。いくら宇宙人が念じてみても、小沢も亀井も福島も変わりはしない。小沢が一層君臨するようになる参院選後の過半数まで待つか、その前に切るべきものは切るか、われらが宰相もハラの決め時ではないか。それとも例によって、旗幟を鮮明にせざるを得ないときまで待つのかな。
2009年 12月 25日