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2015年9月18日

akira's view 入山映ブログ COP

 地球温暖化の元凶と考えられている二酸化炭素ガスの排出量規制が国際会議の俎上に上って久しい。気候変動枠組みについての会議(COP)もなかなか合意に至らない。排出量については、その算定手法や排出権取引などについて一定の合意は成立しているのだが、肝心の数値目標についてなかなか各国がコミットするに至っていない。

 その理由は様々だが、これまでは最大の排出国である米国が首を縦にふらないという事情の他に、開発途上国と先進国の間の対立があったことはよく知られている。自分たちが安価で汚いエネルギーをさんざん使って経済発展をした癖に、それに追いつこうとする途上国に枠をはめる、というのは格差を永久に固定しようとするものだ、という言い分である。これには削減技術、代替エネルギーなどについて、先進国から援助を供与するといった地道な話し合いが積み重ねられ、かつオバマ政権になってからの米国は従来の消極的態度を一変させたという経緯もあって、今回のコペンハーゲン会議では始めて国際合意が成立するのではないか、という期待が高まっていた。ところが、蓋を閉じてみれば、なんのことはない元の木阿弥だったのは周知の通りだ。なぜこんなことになったのか、舞台裏をフランス在住のジャーナリスト土野繁樹氏がブログで臨場感豊かにお書きになっている。http://www.hakusuisha.co.jp/essay/2009/12/30.html 是非一読をお勧めする。

 結論部分だけを借用させて頂くと、中国の傲慢不遜な外交姿勢によって、オバマを始めとする先進国政府の努力にも関わらず、あのような惨憺たる結果に終わったのだという。この厄介な隣国の外交姿勢に就いては、特に日本は第二次大戦の罪悪感もあり、必要以上にすり寄ったり、ご機嫌を伺う姿勢が目立った。(過去形で話せるかどうかは疑わしいが)別に眦を決して対決するだけが能だと言っている訳ではないが、腰が引けていて綺麗ごとだけ言っていれば済む、というものでもないだろう。あけすけに言ってしまえば、手が付けられなくならないようにするためには、中国にモノ申す仲間が要る。米国が第一の候補だが、何度か「頭越し」で苦い思いをした経験からしても、頼り切りという訳には参らない。インドは次の候補として有力だが、あの国はしたたかで具体的な設計図に基づかないお話にはまず乗ってこない。友愛だ、対等だも結構だが、中味は後で考えよう式の対話の場の設定なんて言うのは、言った途端に足下を見られるのがオチだろう。どだい、そのあたりの割り切りもないままに東アジアで結束しよう、なんていう議論が通用するのは、世界広しといえども日本くらいのものだろう。

 歴史的に見て、日本文化は中国哲学から最も大きな影響を受けていると言ってよい。われわれが世俗に恬淡とした知識人になお憧れに似た感情を持っているのは、おそらく中国思想の影響が強い。しかし、今の中国の外交政策に仁義礼知信を求めたりするのは、魚屋に行ってフランスパンが欲しいと行っているようなものだ。ごり押しの拝金主義や、むきだしの国益追求が、成熟した市場制経済が根付くまでの過渡的現象に過ぎない、と楽観的に見てばかりもいられないのではないか/

2009年 12月 27日



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