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2015年9月18日

「精神と芸術」座談会 (17)


―健全なる精神と健全なる身体―
出席者 亀井勝一郎・島崎敏樹・丸山薫・斎藤玉男・荻野彰久
(東京 荻野邸にて)

丸山 話は一寸それますが、マーブルのね、彫刻は地中海の気候で、その気候に置いて、始めて美しいと詩人なんか云ってますね。
日本のように湿気の多いどんよりした所は全然輝きがない。まあ、それは材料の問題ですかね。
島崎 何か、向うのものを日本に持ってくると合わないんですってね。
丸山 そういったようなことを云いますね。
島崎 日本はそういう、例えば竜安寺の石庭のような今発見されて大騒ぎなんですがね。
ああいうのは.本当の抽象形態なんでしょうか?あれ自体が、やはり日本的に日本の風土に適ったね。それなりにその湿ったそれに合う。
亀井 やはり、日本の風土に一番ふさわしいものじゃないんでしょうか? つまり、日本人の抽象能力というのは、随分昔から発達して居るんですよ。百済観音なんて抽象能力の頂点なんです。だから日本人は良く抽象能力が無いと云いますけどね。たしかに、書くことに於いては、無いのですが、造形面に於いては凄く発達してたんではないのでしようか。茶屋の道具とか、とりましてもね。随分思い切ったデホルメしてありますよ。ぼく達は余り馴れ切っているものですから、余り感じないんですが……。
島崎 こんな点はどうですか? 西洋ですとね。つまり、片や徹底的な写実、片や抽象と云うのはね。つまり、右と左と云う弁証法的対立があるでしょう。日本の場合は抽象即自然と云うようなものはありませんか?
亀井 そうですね。
島崎 それが自然界に於いて少しも不思議ではないのですね。異端でない事ですね。



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