2015年9月25日
akira's view 入山映ブログ 赤字予算
日本の国家債務額をGDP対比で見れば、ジンバブエに次いで世界第二位のひどさだとCIA(どうしてCIAなのかは詳らかにしないが)が発表した。先刻ご承知の180%ではあるが、ダモクレスの剣だとは誰も思わないようで、へえ、そうかい、みたいな感じだ。そうでもなければあんな超能天気な予算は組めない筈だし、何よりも「だからどうする」の処方箋がはっきりしているようで実は余りはっきりしていないから、皆で渡れば怖くなくなっている趣もある。
身分不相応な支出をし続けた挙句だから、誰が考えても対策は「入るを図って出るを制す」以外になかりそうなものだが、これがまた異論が様々で、増税をすれば景気が悪くなって税収が減るだの、支出を減らせばこれまた景気が悪くなってますます税収が減り、なんのことはないデフレスパイラルみたいなことになる、という卓説をお持ちの方に事欠かない。
ものの順序としてはムダ遣いを切り詰める方が先だ、というのは民主党のスローガンだった筈だ。そして亀井さんが何とおっしゃろうともそれは正しい。事業仕分けが様々な理由で思ったほどの成果を挙げなかった。今度は枝野さんが格上げになったから、もう少し何とかなるだろう。埋蔵金発掘に熱心な大蔵大臣もいらっしゃることだし、単年度で10兆円くらいの手当ては出来るかもしれない。でも、それは悪化を食い止めるだけの話で、180%が漸減してゆくのは先の話になる。
先の話とは他でもない、消費税と景気回復のことで、これのいづれを先行させるかについて異見があるようなことを言う人がいる。少し考えてみれば誰にでも解るのだが、こうすりゃ景気が良くなるという処方箋があれば、誰だってそれを先行させるに決まっていようというものだ。内需拡大だの、中高年の労働力化だの、エコだBOPだと能書きにことは欠かないが、鳩山首相の演説と同じで文学的ではあるが、さて何をするのかさっぱり見えない。
大事なのは国民を挙げて「その気」にさせることではないのか。能書きだけでその気になると考えているのならとんでもない愚民政治観だ。嘘でも良いから一連の具体策を列挙して、政官財、国民挙げてその気になることしかなかろう。それが出来なければ政治家ではないし、その知恵も出せないようなら御用学者は存在意義を喪う。あれをしたらこんなマイナスがある。これをしたらこんな羽目になるおそれがある、と良い募る類いの議論には、国民は正直飽き飽きしているのではないだろうか。
2010年 01月 08日