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2015年9月30日

「精神と芸術」座談会 (23)


―健全なる精神と健全なる身体―
出席者 亀井勝一郎・島崎敏樹・丸山薫・斎藤玉男・荻野彰久
(東京 荻野邸にて)

丸山 詩の方では、超現実というものは、精神科のお医者さんの超現実宣言から興ったのでしょ。あれから意識されている。
島崎 1924年ですか、あれ以前超現実主義はなかったということになりますね。非常に歴史的なものですね。
そうしますと、なぜ、そういうものが誕生したかというその原因をさぐらなければならない。そうすると、人間の精神史と云いますか、資本主義の揺爛期から爛熟期に至る、そこまでゆかなければ、解釈がつかなくなる。そうすると、医学から離れてしまう。
医学は歴史というものに関して、もっと盲目ですから。超現実は人間の心の地層があって、地層の深いわれわれの気がつかない暗い所から、そこにたまっているもの。だから地層の上の意識的なものをゆるめてやれば、中からプカプカ浮きだしてくる。だからオ-トマチズムをやって、中のものをおびきだせばいい。たとえば天井の節穴を見ていると、タイガーが現われたり、妖怪がでたり、それはもう原始人以来、ずっと同じだと思うんです。その意味では原始人ってのは非常に超現実的だと思うんです。しかし、原始人にとっては現実的だったんですね。
丸山 結局、超現実主義ではないのですね。
島崎 その辺が非常に混乱してしまうんですね。話し合う場合に。
丸山 お医者さんが、超現実主義ってもののエポックをつくったわけでしょ。精神科のお医者さんが、フロイドにまあ刺戟されてルイ・アラゴン、アソドレ・ブルトンとか仕事ができたんでしょ。あれはまあ、はじめダダイストですけれどね。ダダはまあ超現実ではありませんから。



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