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2015年10月13日

「精神と芸術」座談会 (31)


―健全なる精神と健全なる身体―
出席者 亀井勝一郎・島崎敏樹・丸山薫・斎藤玉男・荻野彰久
(東京 荻野邸にて)

島崎 実業家で自殺するのは、やはり、非常に明るい人は急に暗くなったりするのでしょうか?
循環性気質とか云って、仕事なんかどしどし不眠不休でやっても疲れない。そう云う人がある時期、2ケ月か3カ月だけ、すっかり意気消沈しちゃって、何にもできない。そういう時によく自殺する。
そういうのは人の素質です。それは循環性精神病と云う燥鬱病で、そういうのは分らないんですね。急にぱっと自殺したり、とび下りたりする。
亀井 作家ってのは、少年の頃から絶望に慣れている。だから、鍛えられている、ちょっとやそっとじゃ大丈夫です。
島崎 作家の方は自分との対決でしょ。ですから対決しないですまそうとすればできるんですね。実業家連中はそうではないでしょ。どえらい重圧が外からくる。
丸山 あれは大変ですってね。だからまごつくわけでしょうね。
荻野 一つは客観性、主観性にもよるでしょうか? 作家とか詩人だとか、芸術家だとかはいつも客観性をとっているので。その次は自分をばらばらにする。自分の存在理由がなくなる。
実業家などは主観ばかりで通ってしまう。あるいは自意識が強いというんでしょうか。そういう方向に関係するのでしょうか? 如何でしょうか?
島崎 どっちが自意識がつよいんでしょうね。むつかしい問題ですね。ただ、芸術家とか思想家というのは、いつも自分に取っ組んで、そこで自分を育てているでしょ。だから、なかの自我は強いでしょうね。強い所がありますね。
丸山 とも見えるんですね。かといって少しのことで傷ついたりはするんですね。よくわかりませんが、いっぺんに狂いを生ずるということは少いように思いますね。昔は語学をやったり、絵をやったり、物を考えたり、文学なんかやっている人は、弱いからすぐ気が狂うんじゃないかと考えてたんですが。



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