2015年10月20日
akira's view 入山映ブログ 三題噺
うまくいっている所は何事もなくニュースにならない、というだけの話かもしれないが、このところ立て続けに見せられた経営陣というか、執行部の判断のお粗末さは、これが日本の大勢を示すものではなく、単なる偶然の所産の積み重ねであることを祈りたくなるような代物だったと言ってよいだろう。
時系列的にいえばどこから始めた方が良いのかはよく解らないが、先ずは日本相撲協会。貴ノ花の理事立候補を巡って、彼の当選が決まった直後は「へえ、なかなかバランス感覚があるではないか」と思わせた。旧態依然たる体質から言って、造反ではなく、一門による票の割り振りだったと思ったからだ。それがなんと下手人探しが始まり、挙句の果てに辞任する、またそれを取り消すという一連の騒ぎ。それに朝青龍問題が重なる。一人横綱時代におんぶにだっこでお行儀の悪さに苦言を呈する機能が麻痺していたとは思いたくないが、原因と結果、さらには事態展開の予測、ついには危機管理の能力がこれほど欠如している組織体も珍しい。もっともお相撲さんというのは極めて限られた世界に住んでいる訳だから、娑婆の常識を振り回しても仕方がないのは解る。ならば一部の特殊な贔屓筋や専門家を通じてしか世の中とつながっていない、というありように徹するのか、それとも少しでも開いたありようを志向するのかは考えた方が良いのではないか。場当たり的に皆に良い子になりたがるのでは、鳩山さんとあまり変わらない。
つぎはいうまでもない民主党。小沢幹事長で次の選挙が勝てる、と本気で考えているのなら国民を愚弄するものだし、何よりも、そんなことで自民党の復権を許したのでは悔いを千歳に残す。それだけならまだしも、「箇所付け」騒ぎは何としたことだろう。それもどうやら小沢起源だというから救われない。何のことはない、政権を取ればみんな同じことをやるのか、とすっかり落胆した国民も少なくないだろう。ここは「手違いだった」「県連の勇み足だった」などとその場繕いでごまかすのではなく、基本に立ち返って民主党はどんな党かをはっきりさせるべきだ。国会の場で透明な箇所付けをしようと言った幹部に小沢幹事長が待ったをかけた、という報道があった。「そんな甘いことでは選挙に勝てんよ」とあの声色でしゃべっている選挙の神様の台詞が聞こえんばかりではないか。言い旧されたことだが、ピンチはチャンスに変えるべきだし、これをのがしてぐずぐずにしたのでは、かつての自民党と同じ穴の狢という印象だけ残して幕引きになる。それだけは避けるくらいの良識が残っていることを期待したい。
三題噺の最後はトヨタ自動車だ。技術担当とか言う執行役員が出てきて、ドンとかパーとか訳の解らないことを言って言い逃れようとした。こちらは幸い良識ある社長がいて、即日ではないがさして間をおかずに謝罪した。日本を代表する企業にはしっかりした経営陣が健在のようだ。もっとも、あんな訳の解らない小役人みたいなのが執行役員になったりするのだから安心は出来ないかもしれない。民主党もせめてトヨタ並の対応が出来ると良いのだが。
2010年 02月 06日