2015年10月21日
akira's view 入山映ブログ メディア
善かれ悪しかれ「政治」をお茶の間に持ち込んだ点では、テレビ朝日のサンデープロジェクトはかなりの成果を挙げたと言ってよいだろう。そこで番組が視聴者を、誘導したいと思っている方向に導くことに成功したかどうか、については意見が分かれるかもしれない。が、まあ、それは印刷メディア、特に新聞とあまり変わる所ではないから特に論ずるほどのこともあるまい。まして、そこで画面に映った情報の真偽は、かかって視聴者が判断することになるのも自明の理だ。
7日のサンプロは、小沢幹事長の去就について一つのストーリーを展開した。日刊三紙の小沢留任に対する圧倒的に否定的な世論調査の結果を紹介した上で、前回西松事件の折の小沢氏(当時民主党代表)の対応が、当初は辞任せず、であったものが、総選挙数ヶ月前に辞任。結果民主党大勝で、小沢辞任の英断(!)が勝利をもたらしたとする小沢神話が成立したと読み解く。だから、今回も当初は留任を譲らないものの、参院選の直前に辞任、再度柳の下のシナリオがあるのではないか、という訳だ。
本来このていたらくの民主党であれば、クローズアップされる筈の野党自民党がご承知のような有様では、メディアもこんなシナリオでも描いているくらいしか芸がないのかもしれない。そのフラストレーションから、さらに一歩を踏み出したのが日経(7日朝刊2面)「風見鶏」で、これは下田睦美の署名入りで明示の形で「みんなの党」のよいしょだ。まあ、民主党と自民党がそれぞれこの有様では、第三の選択肢に期待を繋ぐ、というのは無理からぬ所ではあろう。
小沢好みの「純化」ではないが、もともとなぜ同居しているか解らないグループが同一政党内に存在している。それが離合集散を繰り返すのを自然体で待っているのではなく、力づくでも望む方向にまとめあげようと言う動きが出るのはもっともだといえばもっともだ。逆に、いろんなグループが一つの党の中に存在している方がむしろ健全だという見方もあるようだが、近未来ではどちらのエネルギーの方が強く働くことになるのだろうか。
もともと前回選挙で民主党が勝ちすぎなければ、みんなの党を始めとする触媒機能を持ったグループの出番がもっとあっただろうに、という見方は存在した。それがここへきてにわかに力を増した、というのが風見鶏に代表される意見だろう。もしかすると一連の小沢氏の行動はそれを見越してのことだったのかな、なんて。まさか、ね。
2010年 02月 07日