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2015年11月13日

akira's view 入山映ブログ ナイーブさ

 ナイーブというのはフランス語起源の言葉で、単純な、世間知らずの、だまされやすい、あるいは(行為・話が)無邪気な、純真な(ジニアス英和辞典)という意味。後の方の意味なら別に悪いことばかりではないが、本来海千山千の強者であるべき人が、意外にこんな一面を見せたりすると、どう受け取ってよいものか、思案に余ることがある。

 例えば朝日新聞3.8朝刊4面「風」は北京駐在の市川速水の署名入り記事の冒頭に、「中国にとって歴史は体制の道具に過ぎないのか」と「考え込んだ」という。例の歴史検討の委員会に関連したコメントなのだが、中国為政者にとって歴史はおろか、社会事象のすべてが道具に過ぎない、などというのはほとんど常識に属するのではないか。朝日新聞の北京駐在と言えば、日本人の中では中国通に属すると考えるのが普通だ。それがこのナイーブな発言というのは、その昔朝鮮人民共和国を礼賛したり、文化大革命を絶賛した新聞報道の名残がまだこの新聞にはあるのだろうか、などと余計な勘ぐりをしてしまう。

 同じナイーブさでも攻撃的になると、米国エヴァンジェリストの牧師がウガンダに出かけていって、同性愛がいかに許されざる所業であるかを力説。それかあらぬか同国では、同性愛者を絞首刑に処する旨の法律が施行されそうだという。民主主義の伝道者が形を変えた趣があるが、先に触れた(3.7「トルコ非難決議」)米国のお節介も千差万別だということだろうか。

 ナイーブさを見たければ、何も中国やウガンダまで出かけてゆくこともない。次から次へと口当たりのよいスローガンを考えだしていればこの国の政治が良くなる、といわぬばかりの政治指導者は、よほどナイーブであるに違いない。それが自称現実主義の海千山千のすれっからしと、輪をかけてスローガン大事なグループと連立を組んでいる現状は、誠に珍現象ではある。

 見てくれの良い有識者を集めさえすれば、玉手の小箱のように妙案が浮かぶに違いない、と思い込むのはナイーブと呼んでよいのか、それとも強かなアリバイ作りなのか、これは判じかねる趣がある。ビスマルクは余に賛成する学者なら馬車に一杯揃えてみせるといったとか。それくらいの魂胆で有識者を集めるのならともかく。あたら事務局のお役人の作文を追認するお集りになることがみえみえだとすれば、「官から民」と勇ましいことを言っては見るが、ホントのところはあなたを頼りにしている、という意思表示かな。だとすればナイーブどころの騒ぎではない。

2010年 03月 11日



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