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2015年11月30日

akira's view 入山映ブログ 相撲

 サッカーだ、カーリングだと、観るスポーツの数も増えたが、相撲とプロ野球というのはいまだに多くの意味で別格なのではないかと思う。かといって、年に何回国技館に、あるいは球場に足を運ぶのだ、と聴かれると困ってしまうのだが、まあ、テレビの前に座っている時間の長さ、というくらいの話にしておこうか。

 どうやら強い大関が一人誕生するようだ。これまでは数だけは沢山いても、一人は必ずカド番だったり、負け越していたり、およそ優勝争いに絡む、などというのは夢の又夢、という不思議な大関陣だった。多少頼りないが琴欧州に、メリハリのある相撲を見せる日馬富士、それに新大関が加われば、白鵬とて一つくらいは取りこぼしの心配も必要になるかもしれない。楽しみな事だ。

 改めていう事でもないが、相撲は神事を起源とする。その限りにおいては、天皇家を頂点とする神ながらの道の一角を占めている訳で、お神楽や寺社芸人につきもののいくらかの猥雑さとともに、これは日本文化史の一角にどっしりと根を張った存在である。さほど相撲通ではないものの、サポーターとのして「タニマチ」やら、何やら不思議なお茶屋制度、部屋別総当たりや、およそ前近代的な親方選挙などなどの存在と渾然一体をなして大相撲の制度はある、くらいの心得はある。

 それがなんと、上位陣の相当部分が外国人力士によって占められることになった。その間の文化的適応が案に相違して極めてうまくいっているのは慶賀の至りだ。世の外国人労働者問題、義務教育現場での非・日本人の適応問題などと較べてみれば、朝青龍問題などはよほど出来の悪い親方の教育不行き届き、というだけの話で、旧態依然としているように見える日本相撲協会が(ちなみに財団法人日本相撲協会が、あの馬鹿げた公益認定基準の下で、公益認定を取れるのかどうか、大いに興味がある)結構な柔軟性を見せている、ということだろう。

 神道が宗教か、と正面切って問いかけられると、いささか歯切れの悪くなるのが並の日本人だろう。初詣に出かけたり、ジョギングの途中でお社に手を合わせるというのが宗教的行為かね、という訳だ。税金を使って玉串料を払うのは憲法違反だ、みたいな判例もあるようだが、そこらへんを曖昧模糊として「うまく」やってきたのも日本人の知恵だろう。だから、天皇が神だ、などというフィクションにも抵抗なくついてゆくし、相撲が神事だ、というのにも「そうでしょうとも」と恬として驚かない。ま、難しい話はともかく、早く二人目の横綱を見たいものだ。アジア人かな、ヨーロッパ人かな。

2010年 03月 29日



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