2015年12月4日
akira's view 入山映ブログ 小党乱立
予算の無駄を徹底的に削るまでは、増税(消費税)には封印をする、というのが民主党の主張だった筈だ。意気込んで取り組んだ事業仕分けの成果が全く見るに足りなかったせいか、ここにきて、すっかり民主党がトーンダウンしてしまったように見える。あるいは綺麗ごとのスタンドプレーだけで大幅な経費削減が出来ると思っていたら、どうやら党内保守派や官公労、はては利権集団を相手に廻さなければ改革は無理だ、と悟ったとたん二の足を踏んでしまったのだろうか。
事業仕分けそのものは、例えその削減実績がどれほどのものであろうがなかろうが、審議過程の透明化ひとつをとっても画期的な出来事だ。民主党半年の政権の中で肩を張れるものがこれしかない、というのも困ったものだが、それはそれとして、枝野さんのいうように、事前の準備作業にもう少し財務省以外の意見を取り込むチャンネルを持ち込めば、10倍程度の成果を上げるのは難しくあるまい。これまでに槍玉に挙がっているのが、必ずしも諸悪の根源として象徴的でさえあるような事案だけではないのは、ほかでもない役人自身が一番良く知っている。
それよりも問題は、やるべきことがはっきりしているのに全く手を付けていない行政改革事案だ。例えばこの3月で活動を終えた地方分権改革推進委員会の提言のうち、地方が見直しを要求した104項目の実施率は34.6%。分権委892勧告についても、主立ったものは何一つ実行されていない。そのかたわらで、やれ新しい公共だ、官から民だ、と、口当たりの良さそうな円卓会議だの、ナントカ委員会の類いは次から次へとお作りになり、タレントもどきをちりばめてご満悦だというのでは、鳩山政権も底が見えた。
じれったいのは、こんな無能な内閣に攻勢をかける事の出来ない野党だ。あいつが飛び出した、こいつとくっついたも結構だが、せめて渡辺さんの「みんなの党」程度には旗幟を鮮明にしてほしい。みんなの党にしてからが、二の矢、三の矢を世に問うたという話を聞かない。当面は候補者選びでそれどころではないのかもしれないが、それでは順序が逆だろう。キャスティング・ウ゛ォートを握る、というのが生まれつつある小党の存在意義だとすれば、それをぜひ鮮明にしておいてほしい。今度は数合わせが先行した結果、人もなげな小党党首が首相代行みたいな口をきくことはなくなると思うが、存外そんなことを期待していないでもない顔も目に浮かぶ。
先の選挙では、閉塞感から解放された有権者に、今度は心から納得して選択できる選択肢を提供する政党が出現してくれる事を願ってやまない。そうなれば、小党の存在意義も、単なるsingle issueの乱立以外のところに求める事が出来ようというものだ。
2010年 04月 03日