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2015年12月7日

打明けばなし(対談)(4) 井村恒郎

(問い手 斎藤玉男)


問 こんどの「精神衛生」に慶応の三浦岱精氏が「精神衛生とセックス」について書いて居られますが、仲間にフランス学派の香気を導入された訳で、結構に拝見しました。大体大家の筆不精は各国通有ですが、「戦後」でない「超戦後」は皆が一つ裃を脱いで、日常切実な面の精神医学を拓いて行きたいものですネ

仰る通りです。長らく精神衛生という言葉はカラ念仏に近いものでしたが、これからはもっと我々の実生活に即したものになるでしょうし、是非そうしたいものです。日本はこの点たち遅れていて、未だに精神病院中心の精神衛生ですし、現在はそれさえ達成されておりませんが、広い眼でみると時代はもう地域社会中心の精神衛生になりつつあるようです。社会から隔離した患者の治療に専念する時代から、社会という場のなかで、精神病のみならず、ノイローゼや性格異常者やそれから一時的な適応障害者の精神衛生を管理する時代に移りつつあると思います。お話しの「超戦后派」の強い祉会的関心に私も多きを期待しております。
(語る人、日本大学医学部精神科教授)


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