2015年12月11日
akira's view 入山映ブログ 金本選手
今日は虎キチ筆者の述懐だ。天下国家は関わりないし、巨人ファンはもとより、野球というゲームに興味のない読者の方には今回はスキップして頂くことを予めお願いしておきたい。
連続フルイニング出場1492試合をもって金本選手の記録は消えた。さしもの鉄人にも、昨シーズン位から衰えの兆しは見えかかっていたが、今シーズンはそれが誰の目にも明らかになっていた。打率は2割にも達せず、何よりも、平凡なレフトライナーを、鈍足で有名な三塁走者に、本塁上のクロスプレーどころか山なりの三塁返球で楽々ホームインを許すなど、打てず、守れぬ不動の四番バッターには、ひいきのファンさえ眉をひそめた。やはり、一番見たくなかったのは三番鳥谷を敬遠して、四番金本勝負という場面。幸い(といってよいのかどうか)鳥谷も絶不調だったからそんな場面はなかったが、武士(ここは「もののふ」と読んでください)のあわれ、を尊ぶ心意気からは、なんとかそんなことになる前に金本の決断が欲しいところだった。
正直言って、根っからの虎キチにとっては、広島育ちの金本・新井は感情移入が伴うほどの存在ではない。トレードが日常茶飯になった昨今の球界とはいえ、生え抜き、育ちの選手に思い入れが一入なのは、これはやむを得ないからである。が、貧打に泣いて、鳴りもの・期待満々で加入した金本には、そのカリスマ性もあって、「頼れるアニキ」の雰囲気が満ち満ちていたし、さればこそ惨めなアニキを見たくない、という心情にもなろうというものだ。どれほどの思いでスタメン落ちを監督に依頼したのか。誠に天晴な出処進退だったと思う。にわかにどこやらの政治家と比較する気はないが、さてこそ一流の人間というのは違ったものだ、と納得する。
この後金本はどうするのか。42歳という年令から、このまま徐々に消えてゆくのか、それとも連続出場などは忘れて肩の治療に専念し、まさに不死鳥のように蘇ってくれるか。檜山、葛城、浅井といったいささか頼りない代打陣の補強要因としては願ってもないだろうが、それは彼ほどの選手を遇する法ではないようにも思う。もっとも、彼の勝負強さとか、反骨精神のようなものを別にすれば、連続出場と累計本塁打数以外の個々の記録を見る限り、金本は大選手というほどの記録を何も残していない。だとすれば、現役継続記録にしか興味がないかのように見受けられるプロのスポーツ選手が少なくない中、徹底的に肉体をリハビリした後、復帰して3割30本塁打に到達しなかったら、そこで引退する、というのもアニキらしくてよいのではないか。
2010年 04月 19日