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2015年12月15日

akira's view 入山映ブログ 事業仕分け第二弾

 迷走続きで評判の落としっぱなしだった民主党政権だが、この7ヶ月余りの中で唯一好評だったのが事業仕分けだった、というのが大方の認めるところだろう。とはいいながら、肝心のところは例によって役人主導だったし、準備も切り込みも不足して、結果的には生み出した金額は皮算用の一割にも満たないという惨状だったが、とにかく政策執行プロセス(の一部)が有権者の前に明らかにされた、というのは空前の出来事であり、蓮舫議員のかっこよさもあって、民主党の清新さを象徴する数少ない事例とはなった。

 もともとは地方自治体の施策をめぐって開発された手法であり、国レベルでの応用には多少の疑念もあった。(そしてその疑念の多くのものはいまだに有効である)しかし、官僚専制打破がかけ声倒れで一向に実績が挙らないこともあって、マスコミの提灯持ちも与ってにわかに大ブレーク、というのが真相に近いだろう。その第二弾が始まった。どうしようもない体たらくに推移する鳩山政権唯一の希望の光として、この成果に切ないばかりの期待をかけている向きが多いのは解らないではない。

 仕分けの意義と機能については08年3月から09年3月まで数回に亘ってこのブログで論じたから繰り返さない。一つ確かなのは、これが万能で、これさえ完全に行なっていれば他の政策はどうでも良い、なんていうことになる代物ではないということだ。民主党指導部にそんな神頼みのようなメンタリティがあるとは思いたくないが、そんな気配がないではない。ことの順序として冗費支出をとことん切り詰めて、その後に歳入増を図る、という(多少怪しくなりかかってはいるが)民主党の当初の主張実行の第一歩であり、それ以上でも、それ以下でもない。

 今回の独立行政法人についても、その選定、スクリーニングの経緯など、マスコミ報道を見る限りいささか心もとないところはある。官から民どころか、民から官に揺り戻した挙句財務省OBを天下らせて恥じるところのない鳩山さんが、どこまで本気なのかにも疑念が残る。のみならず、この政権が「新しい公共」をどのようなものと認識しているかに至っては全く希望が持てないことも先に述べた(10.2.15から3.20)通りだ。しかし、ないものねだりはするまい。万能薬のような政策手段が存在する訳はない。ここと思えばまたあちら、と牛若丸もびっくりの脱法天下りの隠し技を開発する官僚諸氏を相手にして、税金の浪費がいささかなりとも征伐されれば、これに越したことはないからである。

2010年 04月 23日



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