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2015年12月22日

akira's view 入山映ブログ 事業仕分け第二弾(2)

 権力側、あるいは「官」の論理にいかに易々と鳩山内閣が乗せられてしまっているかについて解説をしようと思っていた矢先、事業仕分け第二弾が「公益法人」だという。例によってカッコいい連舫さんやら枝野大臣と共に唖然とするような塩の備蓄の話や免許更新の際の教則本、さらには空港駐車場から宝くじの広報費(!)などの実態が明らかにされた。もちろん全てが税金の垂れ流しと天下り付きなのはいうまでもない。

 ちょうど良い機会だから「公益」法人の話から始めよう。「公益」というのは、難しく言えばきりがないが、ひとまずは「世のため人のため」になるような仕事だとしておこう。そんな結構な仕事をするのだから、と税金を免除してもらったり(詳しくは改めて述べる)、天晴れオカミの身代わりも勤まるだろう、とさまざまな役所の仕事を請け負ったりしている。で、どうすれば「公益」法人であると認めてもらえるか、というと、これがお役所の胸三寸だ、というところがミソだ。つまり、お役所が「世のため人のため」になる、と認めない限り公益法人にはなれない仕組みになっていて、この仕組みが百年ばかり続いた。

 となれば、お手盛りのし放題になるのは見え見えの話で、今回事業仕分けで指摘されているのはそのほんの一部。公益法人を認可する権限は中央官庁の他、地方自治体にもあるから、全国に二万数千存在する公益法人のうち、数にして半分近くはこういう胡散臭い法人だと思って間違いはないだろう。公益法人ならぬ、官の官による官のための「官」益法人などと揶揄されるのがこれである。胡散臭いのは半分だ、ということは、逆にまともな民間の公益法人も同じくらいの数存在している、ということだ。恵まれない学生や才能豊かな学生に奨学金を出したり、国際交流や途上国援助活動をしたり、研究活動にいそしんだりしているのだが、余り華々しく人目を引くような存在ではない。

 さすがにこの公益法人のあり方はおかしいのではないか、というので公益法人制度が百年ぶり(旧制度は明治の民法制定からずっとそのままだった)に改正されることになった。ところがどこでどう間違ったのか、旧制度に輪をかけてお役所べったりに都合の良いような制度になってしまった。この点についてはこのブログ立ち上げ直後の2008年3月、9月、それに2009年3月と3回にわたってその理不尽さを議論しているから再説はしない。ここで言いたいのは、肝心かなめの基本法制で「官」益法人べったりのような制度を構築しておいて、やれ新しい公共だ、NPO税制だと上滑りの議論をしている現政権のいつもながらの軽さである。これがまさに官僚制度の思うつぼであるのはいうまでもないだろう。(真面目にやっている)公益法人とNPOは別物で、別の取り扱いだ、などというのは「分離し統治する」お役所の術中に自ら飛び込んでいるに等しい。

2010年 05月 21日



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