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2016年1月8日

三代のアンデパンダン(2) 齋藤玉男

 その頃根津に津谷氏と呼ぶ地主があった。所謂客を悦ぶ気風の人で筆者も屢出入した。同家で光太郎氏の父君光雲老、チベット仏教の川口慧海師、変り種では嗜虐画家の伊藤晴雨氏なぞと相知った。光雲老の作風はきびしく古格を守った木彫であったが、人物は生粋の江戸ツ児で磊落洒脱そのものであったのに、光太郎氏と来たら朴訥古厚、対って居ると退屈するより外ないやうで居て、その癖何となく退屈させられに行きたいやうな親しみを具へて居た。往診の話も大方津谷家で光雲老へ橋渡しされたものと思うが、今思ひ出せない。
 三代と言うか二代三客と言うか、兎に角、それぞれの風格が今に鮮やかに瞼に浮ぶ。それに不思議なことには三客が三様に活きて、相干さず相虐げすに各その本領を展開したことである。これがホントの意味のアンデパンダンであろう。も一つ不思議と言へば光雲老の白髪と高笑いは現代へ持って来てもそのままスポリと嵌まる新鮮さであり、老が木彫家であってもとより差し支へないが、老の肉体はモデルとしてもブルデールあたりを悦ばすに足りると思われる現代昧をもつ。



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