2016年1月20日
建築と人間(1) 亀井勝一郎
私は建築について専門的な知識が全くないくせに、建築を見るのは実に好きである。人間の空想力をこれほどそそのかすものはないやうに思はれる。生きるための巣であるからかもしれない。美術愛好者の最後に行きつくところは、刀剣と建築だといふ説がある。刀剣はとどめを刺すからだらうなどと、冗談に考へてみたが、建築の方は結局あらゆる美術の母胎で、博物館とは母を失った美の孤児院のやうなものだと言ったヴアレリイ説に私は同感してゐる。
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2016年1月20日
私は建築について専門的な知識が全くないくせに、建築を見るのは実に好きである。人間の空想力をこれほどそそのかすものはないやうに思はれる。生きるための巣であるからかもしれない。美術愛好者の最後に行きつくところは、刀剣と建築だといふ説がある。刀剣はとどめを刺すからだらうなどと、冗談に考へてみたが、建築の方は結局あらゆる美術の母胎で、博物館とは母を失った美の孤児院のやうなものだと言ったヴアレリイ説に私は同感してゐる。