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2016年2月8日

akira's view 入山映ブログ 選挙終わる(2)

 それほど丹念にメモを取っていた訳ではなかったから、後で読み返してみると12日のジェリー・カーチス教授の発言で、いくつか面白い点を書き落としていることに気がついた。いささか書き足したい。

 その一つは、国民新党が議席を取れなかったことに関して、彼は例の調子でユーモアたっぷりに「これはよかった。これであのとんでもない悪法を通さなくて済む。」と。いうまでもなく郵政国有化の揺り戻しである。果たしてそうなってくれるかどうか。
 それよりもっと大事なのは、この十ヶ月の民主党政権の迷走ぶりが、せっかく期待を膨らませていた国民をすっかり失望させたことに触れた後で、「こういう事態の後には、ナショナリスト的な指導者が人気を博することがありがちだ」と注意を促したことだろう。ワイマールの迷走とヒトラーの台頭が念頭にあったかどうかは知らないが、かなり含蓄の深い発言だと思った。

 まさか9月の党首選挙で菅さんのクビをすげ替えるようなことを民主党がなさるとは思いたくないが、ダミーを立てて権勢を誇示したい向きもあるやに聞いたりすると、旧態依然たる労組指導者と旧自民党力学からこの党はまだ抜けきれていないのか、と暗然たる気持ちになる。他方、谷垣さんはすっかり戦勝モードで解散総選挙に追い込むみたいな発言をなさっているが、本気でないことを祈る他はない。自民党独裁時代に成立してしまったこういう単細胞的政治思考パターンは、そろそろ社民党の専売特許にしてほしいものだ。あれを憂い、これを嘆いていると、いっそ政策協議に名を借りて、自民・民主両党が割れたりしてくれないものか、と淡い希望を抱いたりもする。

 民主党が参院選に惨敗したのは事実だ。その事実が党首や役員のクビのすげ替えで禊ぎが済んだ、みたいに考えるのもこの思考パターンの変形に過ぎない。なぜ負けたか、なぜ国民の信を喪ったかをまじめに考えればおのずから次なる対策は出てこよう。逆に言えば、それをまじめに考えないであいつが悪い、こいつが良くないをやっていたのでは何も変わらない。みんなの党の渡辺さんも、総選挙で信を問えと勇ましいが、これこそまさか本気ではあるまい。7百万票しかとれなかったのでは、ブームには遠い。次の選挙で消えてしまわないためには、残り3年の間に、どれほど「ねじれ」を利して政策協議にイニシアティブをとれるか、に全力を挙げる他はない。そしてそれこそが政界再編を生む唯一の方途だと思う。国民の見えないところで「実力者」が談合して離合集散をする政界再編、という思考形態は過去の遺物だ。それができなければ、ジェリーの言っているように、デマゴーグが幅を利かす政治が出現するかもしれない。

2010年 07月 13日



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