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2016年2月23日

akira's view 入山映ブログ 脱官僚

 政策シンクタンクを日本に根付かせようと、この30年ほど息長く活動を続けている鈴木崇広さんに案内されて、緊急プロジェクト「政策選挙」の一環として開催された「国民はどんな『政策』を求めているか」という公開シンポジウムに参加した。予め用意された政策テーマ別にインターネットによる投票を呼びかけ、その結果の分析を通じて望まれている政策を浮き彫りにしよう、という趣旨のようだった。

 お行儀よく椅子に座って演壇の方を向いて、というシンポジウムとは違って、レストランを貸し切って飲みながら、立席が中心、途中からはケータリングの準備が始まる、というくだけた感じだったから、スツールに腰掛けたパネリストの談論風発にまかせて議論が展開する、という仕儀とは相成った。司会兼狂言回しの役は東京新聞の長谷川幸洋氏(以下敬称略)。巧みな司会に乗って登場するのは弁護士で中央大学教授の野村修也、政策工房を主宰する原秀史、AERAの野口陽といった面々。それに来場の各党の代議士や霞ヶ関の官僚諸氏といった論客揃いだから、話はネット投票の分析を離れて、民主党は本当に脱官僚に成功しているのだろうか、というテーマが中心になった。

 シンポジウムの模様はネットで中継されていたようだから、詳しくなぞるのは止めておくが、要はいかに官僚集団の改革に対する抵抗力が凄まじいか、官僚バッシングに終始する事の不毛さ、さらには代案なく官僚の政策を支配しようとする努力の空虚さ、といったテーマが、臨場感溢れる登場人物(「みんなの党」の渡辺代表も例の調子で一言あった)の肉声と共に語られる、というなかなか迫力ある集まりだった。結論は民主党はまだ甘い、ということだった。この種の集いはあちこちで催されているのだろうが、政策形成過程を一部の人々の独占状態におかないで、広く窓口を開ける、という意味ではとても意味のある事だと思うし、自民党時代の強固な政・官の一枚岩が崩壊した事は、こうした試みに拍車をかけていることに疑いはない。

 もちろん良い事ばかりではない。床屋政談に毛が生えたようなものから、生煮えの玄人もどきのような顔ぶれが政策スタッフに登用される可能性と裏腹な現状なのは周知の通りだ。最近の大学教授と同じで、一曲歌が歌えれば歌唱指導の看板をかける。一芸入試のほうは合格してから訓練を受ける立場だから良いにして、一芸が一芸だけの指南ではなく、諸事万端に教授、相談にあずかりかねないご時世だ。昔の名取り、免許とは訳が違う。まあ、だからこそ玄人が必要だ、と鈴木さんたちは言いたいのだろうと思う。ふたたび「めきき」(7.17)の話になるが、これはくどいから止めにしておこう。

2010年 07月 29日



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