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2016年3月28日

akira's view 入山映ブログ 尖閣諸島(3)

 中国政府は、今度は謝罪と賠償を要求するのだという。軽卒というには余りにも重大な那覇地検の致命的な判断ミスを、利用する意志もなければ能力もないやりくちである。この段階でこれほどの譲歩を引き出せたのなら、嵩にかかれば何でもとれる、とでも考えたのだろうか。検察当局の愚かな判断を、日本政府の意思だと考えたのであろう。そう思わせたについては、政府閣僚の中に唖然とする様な発言が見られたことも預かって力あったのかもしれない。

 報道されるところによれば(朝日朝刊9.251面)片山総務大臣は「政府全体としては常にこの問題について認識していたし、全体として政治的な判断が背景にあったと思う。それでいい。」「日本側の方が少し大人の対応をした」との認識を示したという。多少地方自治で実績をお挙げになって、タレント気取りなのかもしれないが、分を弁えない不適切きわまりない発言だと思う。与党から声が出ないのならば、野党はこんな発言を許してはいけない。発足早々の菅内閣の揚げ足を取るのが本意ではないが、不用意な民間人登用がどんな結果をもたらすか、真摯に認識される必要があるだろう。

 鳩山前首相が中国首相との間のホットラインに言及し、菅首相がそれを活用しなかったことを批判した、という報道(日経朝刊9.262面)は、まあ、あの方の病気が再発したと受け流せばよいが、現職閣僚の発言となると、これとは重みが違うのは言うまでもない。それにしても消えるべき人が消えないで、マスコミが提灯を持つのも困ったものだが。

 國としての矜持というものを、短期的な経済利害とか妙に大人ぶった訳知りの発言でぐずぐずにしてしまってはならない。その意味では今回の措置を「屈辱的な撤退」(humiliating retreat)と報じたニューヨークタイムスの論調はアメリカのみならず世界のこの事件の受け止め方の標準値だと考えてよいだろう。何もショービニズムを礼賛したり、チキン・ゲームをするべきだと言っているのではない。当たり前のことが当たり前でないのが、あたかも日本の独自性であり誇るべきことだという思い込みからはそろそろ脱却してよい頃だろう。

 当事者が真剣になって守ろうと思わないものを、同盟国が守ってくれる訳もない。日米安保について空疎な観念論を振り回す前に、日本が真剣になって守らなければならないものが何か、再認識すべきだろう。最低限それが備わっていない人は、学者・評論家としてならともかく、政権当事者たる閣僚に選任されるべきではない。

2010年 09月 26日



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