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2016年3月29日

akira's view 入山映ブログ 世田谷美術館

 世田谷美術館のビンタトゥール展に行ってきた。ドラクロアから印象派、ナビ派からフォービズム、さらにはルソーまで、豊かな展示内容だ。ビンタトゥールというのはスイスの小都市の名前。人口10万ほどの都市にこれほど質の高いコレクションがある、というのも驚きだが、90点ほどの展示は丁度ほどほどだったし、何よりも人の頭を見ている様な混雑がなかったのは有り難かった。展示の目玉はゴッホの郵便配達夫だったようだが、彫刻にも面白いものがあった。

 あのナルシストのリルケが生前唯一の公認彫刻だというジャコメッティの作品があったが、いかにも気に入りそうな出来だった。ナルシストもここまで首尾一貫すると天晴れではある。また、ロダンのルノアール像は、ほとんど平板な鉄の作品で、その平ったいマスが見事な質感を示しているのが不思議だった。

 別室で小堀四郎と杏奴の作品展も併催されていたが、これは残念ながら好みにあらず。むしろルオーの未出版版画集「サーカス」が展示されていた方がなかなか面白かった。今でもどこかには巡業しているサーカスなんていうのが存在しているのだろうか。旅芸人、という語感とともに消えてゆくのかな。

 展示以外にも、この美術館は区民や子供を含む一般の市民を相手にさまざまな活動を行っているようだ。大きくなればなるほど無機的になりがちなこの種施設としては、規模も適当なのだろうか。活動が現実にどれほどの参加者を集めることに成功しているかは体感する機会がないが、単なるハコモノで終わっていない、というのには関係者の熱意が感じられる。

 ちなみに公立の施設には珍しく、この美術館のレストランはとても洒落て雰囲気が良い。日曜祭日は夜が予約だけ、というのも足の悪さを考えるとやむを得ないのかもしれない。新美術館のポール・ボキュースが何かにつけて客からふんだくるようなサービスと価格設定であるのに比べれば、ここの雰囲気と味、それに価格との調和は大変結構だというべきだろう。従業員の親切さは当節特記するに足りる。

2010年 09月 29日



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