2016年3月31日
akira's view 入山映ブログ 習熟期間
政権与党らしくなるまでに、しばらくの習熟期間は必要だろう、大目に見てもよい、と考えた向きがおおかただったように思う。それにしても、余りといえば余りの首相のコトバの軽さというか政治的人格のいいかげんさに、とてもこれはやってられません、という国民の声が天に通じたのか首相交代。そこで人気もV字型反騰だった筈が、軽はずみに前言を翻したものだから参議院が「ねじれ」た。大急ぎでこの一年余りを総括するとそういうことになるだろう。それにしても、習熟期間をどれほど見たら良いか、という問いかけは依然として残る。
なまじ鳩の糞害に悩まされた破滅的な9ヶ月があったから、今度の人はまだ4ヶ月足らずだよといわれてもすんなりその気になれない。そこへもってきて漁船船長問題だから、こんなのにクニを任せておいて大丈夫かいということになる。も少し時間をあげたい様な、そうも言ってられないよみたいな、どうも落ち着きの悪い感じでいるのが一般の国民ではないか。野党も、それこそ建設的な熟議で政界再編成に向けて着実にやってゆこう、という気分と、いやこの分では揚げ足取りをやりながら自滅を待てば意外に早いんじゃないかという観測が入り乱れて腰がいまいち定まらないということではなかろうか。
そんな思い入れをよそに、国内景気も円高も、まして破滅的な財政は様子見で一服してはくれない。為替介入のように短期ワンショットという代物ではない。換言すれば根本的、かつ長期の取り組みが必要な場面なだけに、これはほとほと悩ましいことになっている。即効薬がないことはさすがに共通認識だろうから、ここは信なくば立たずでゆくしかあるまい。この政権は真剣だ、真面目にやっている。方向性は正しい。とまずはまず国民に思わせることから始めなくてはならない。どうすれば国民がそう思うか。一つでも良いから具体的に何かをして、なるほど変わったね、と実感させるほかはない。それも事業仕分けでいくらひねり出した、雇用ナントカを期間延長する、というたぐいの話ではなく、保育所の待機が一掃された、とか、法人税が今期から下がる、とか、私立大学の補助金を全廃する、といったレベルの話でなくてはならない。
つまり波及効果が目に見えて大きい話に限る。ということは、真剣に検討する価値がある、ということだ。やれ雇用だ、それは保育や介護、環境にある、なんていう総論のきれいごとに留っていたのでは誰も本気だとは思わない。仮に本気であるにしても本気なだけで知恵がない、知恵のなさをコトバでごまかしている、としか思われない。そうではない処方箋をどう示せるか。これは同時に習熟期間の長さに対する回答にもなっているところがうまい、と思うのだが。
2010年 10月 03日