2016年4月19日
akira's view 入山映ブログ オペラ
日経新聞11月20日プラス1は、オペラ人気ベスト10を特集した。それによるとトップはカルメン。これは衆目の一致するところだろう。以下トラヴィアータ、トゥーランドットと続く。トラヴィアータは押しも押されもせぬ新派大悲劇だし、トゥーランドットの方はフィギュアスケートで使われた「誰も寝てはならぬ」で選ばれたと思えばこの人気も納得だろう。次が蝶々夫人というのも、日本が舞台の本格オペラということだから、多少駄作が選ばれてもこれは理解できる。
その次あたりから、フィガロの結婚、魔笛、セビリアの理髪師、ドンジョバンニといささか玄人好みが並ぶ。トゥーランドットと同じで、劇中一曲位は有名なものもないではないが、その次にリストに上るボエーム、トスカに比べればはるかにマイノリティである気がしないでもない。まあ日経のやることだし、日本駅弁ベストテンなみの素人好み、ということで、漫画家で歌も歌うというふれこみの女性にコメントをさせたりもしている。いわく、オペラなんていうのは豪華な音楽付きの人形芝居だと考えればよい、なんていう、ひっくり返る様な内容だから、余り真面目に議論する方が見当違いなのかもはしれない。
しかし、この素人向けのオペラ記事に限らずマスコミのコメンテーターの選択には首をかしげたくなる事が多い。これも「そんな程度のものよ」と言ってしまえば目くじら立てる話ではないのかもしれないが、政治談議に野球監督を出したり(出る方も出る方だが)、同じくやたらかん高い声でしゃべる売れっ子タレントを起用したり。お身内ではしゃぎまくっていれば良い、としか心得ていないような番組作り同様、テレビ番組の質をこれでもか、と下げるのに懸命だと見えるのはあれはどうしたことだろう。
多分テレビは滅びへの道を一直線にたどっているのだろうと思う。余りに安直なドラマの作り方を見るにつけ、これが映画界で国際賞の常連国の作品なのかといぶかしい。制作費の少なさと作品の質の低さ、それがスポンサーのなり手を少なくするという悪循環に陥っているのだろう、などと、オペラ記事の訳のわからない自称歌手のコメントに腹を立てて妙なところに飛び火をしてしまった。
2010年 11月 22日