2016年4月20日
akira's view 入山映ブログ 近事往来
自民党政権末期のありようと民主党政権のどたばたのお陰で、こと政治に関する限り大概のことでは驚かなくなった。でも驚きは日々に新しというか、柳田法相の更迭にも驚いたが、その後まだまだ小沢喚問をしなければ予算審議に応じない、と伝えられる自民党の対応にはほとんど言葉を喪う。みんなの党は内閣不信任だと言う。いっそ生殺しくらいならそれですっきりさせてリセットがよいだろう。
ねじれ国会に期待した「熟議」の政治過程はどこへ行ってしまったのか。それともあまりにも類似の対案しか出せないから、民主党政権に埋没してしまうのが怖いのか。議論のタネは無数にあると思うのだが。何よりもこんなことでは、色褪せかかっているとはいえ唯一のスローガンである「脱官僚」が痕跡さえ留めなくなることは必定だ。
だらしないのは野党だけではない。民主党もいったいどうしたというのだろう。「仕分け」が骨抜きになったのを怒らないどころか、むしろ弁護擁護に回る、というのはいかに支援労組の陰が見え隠れするとはいえ、民主党の自殺行為としか言いようがない。ずるずるとかつての「自民病」にかかるのを座視するくらいなら、すっぱり党を割った方が良い。特に小沢一派はもう反民主主義的手法、という意味でほとんど中国の首脳並みだ。とても同じ屋根の下にいられるとも思わないし、いるべきでもないだろう。ノーサイドの幻想は消えている。
潔さと歯切れの良さが取り柄だった菅さんも、首相ともなればさすがにそうもいっていられない、というのは解らないではない。しかし、これほどまでに自らの持ち味と信念を犠牲にしてまで執着するほどの権力なのだろうか。権力とは自己目的ではなく、何事かをなすためのものだ、という自明の原理を再確認された方が良いのではと思う。そんなことは百も承知だ、とおっしゃるのなら、この政権は何をしたいのか、今からでも遅くないから「ご自分の言葉」でおっしゃることだ。森羅万象にわたる必要はない。菅さんがそんなに何でも知っていると思っている人はいない。貴方の魅力は「これだけは譲れない」にあった筈ではないか。
民主党が頼りないからといって、だれも自民党の復権を望んでいない。それが唯一の救いなのだが、それとてもいつまで続くとは限らない。機会には前髪しかないといわれるが、かなりふさふさした前髪だったが、さすがにそろそろつかみかねることになっていはしないか。
2010年 11月 23日