2016年4月21日
akira's view 入山映ブログ 問責決議
世に言う「ねじれ国会」で、参議院の(多数)野党が問責決議案を出せば通るに決まっている。で、通った度毎に与党が内閣改造をしなければならない、というのではおよそ国の政治が立ち行かないのは目に見えた話だ。だから、更迭などしない、というのは当たり前の話で、これをことさらに菅内閣の危機だの、政局だのと報道するマスコミの姿勢はどうかしているという他はない。
別に菅内閣の施政が満足すべきものだ、とか擁護に値する、と言っている訳ではない。民主党が与党慣れしていないのと同じように自民党も野党慣れしていないから、どこで拳を振り上げて、どこで降ろすか、カンどころがつかめていないのはやむを得ないだろう。民主党内閣に習熟期間が必要なのと同じように、自民党にも慣れて頂く他はあるまい。
とは言いながら、仙谷さんと馬淵さんが出席する会議は審議拒否だ、という勇ましい言い分をいつどのタイミングで降ろすか、それは見物だけれど、年明けに、またこの問題で空転する国会を見せられるのかと思うといささかうんざりする。しかし考えてみるとこの何十年かの間、国会というのはほとんどこういう中身のない駆け引き、というか猿芝居のようなことしかやってこなかったのではないか、という疑念が兆す。
言葉を換えれば、基本的な政策課題について、公開の席上で建設的な議論をする手法について未経験だ、ということになろうか。密室の腹芸の経験はあっても、委員会や本会議の席上でどうやって彼我の議論を噛み合わせるか、というのは未知の分野かもしれない。というより、一体そんなことが本当に可能なのか、というのも実証されたことがない、と言った方が正確かもしれない。要するに結論の見えた出来レースでメンツを保つ、という手法しかご存じない、というのが一方にあって、他方では、ギブ・アンド・テイクが出来る形で物事を問いかける、というノウハウが皆無だ、ということだろう。
実のところ、そんな方法論が存在するという保証はない。してみると。両院で多数を占めるべく政党間の、あるいは政治家グループ相互間の離合集散のブラウン運動を活発化して、政界再編をする以外に方法はない、ということになりそうだ。情けないことにこの方向について一番感度が高いのがあの小沢さんで、後の皆さんはまだそれほどには事態が切迫しているとはお考えになっていないように見える。またしても非民主主義的闇将軍主導の政治、なんていうのは願い下げにしたいものだが。
2010年 11月 27日