共立荻野病院コラム詳細
TOP > 共立荻野病院コラム一覧 > 緑色の大砲(5)―船の話 Ⅳ― 丸山 薫
  • 診療科目一覧
  • 内科
  • 胃腸科
  • リウマチ・膠原病科
  • アレルギー科
  • リハビリテーション科
  • 診療時間
  • 月〜金 午前9:00〜午後12:00
    午後3:00〜午後6:00
    土・日・祝日・年末年始・夏季
    (3日間)
  • 月〜土 午前9:00〜午後4:00
    日曜・年末年始
  • 月〜金 午前9:00〜午後5:00
    土・日・祝日・年末年始・夏季
    (3日間)
  • 院内のご案内
  • 医師紹介
  • 共立荻野病院デイケアセンターフラミンゴ
  • 住宅型有料老人ホーム プメハナ

2016年4月26日

緑色の大砲(5)―船の話 Ⅳ― 丸山 薫

 後年になって僕はその謎の中で、数世紀前のイギリスやスペインの貿易船が大砲を装備したり、船員以外の陸兵までも乗り組ませて、他国の商船隊を海上で襲ったという話を何かの本で読んだ。そしてその時代の海上陸兵の名残が現在のマリン(海兵隊)だということも知ったりした。僕はヨーロッパの海軍の歴史を、恒春丸の大砲の疑問に結び付けて考えてもみた。だが明治時代の日本の商船が海賊の真似事をはたらいたとは、中学生の僕にさえ想像も出来ない事だった。
 ところで更に後年になって、謎はようやくに解けたような気がし始めた。――いうのは、僕が韓国へ渡ったのは、日露戦争の最中だったことを確かめたからであった。つまり恒春丸は武装していたのではなかったかという推定である。詳しくいうなら、実に明治三十八年五月二十五日の夜から翌日の朝にかけて、僕はその翌日に行われた大海戦の舞台を横切ったのであった。



共立荻野病院コラム一覧へ戻る