2016年5月2日
北海道の原生花園(1) 野村彰恒
今年の学会は北海道にあった。そのあと四泊五日の観光コースを廻った。第一日目網走道立公園の基点の天都山の展望台で、監獄の町の暗い印象をふきとばした。バスは北浜原生花園に向った。鱒浦をすぎ汽車の姿の見えない砂浜を走る線路を一二度横切った。とうふつ湖とオホーツク海のみはらされる砂丘の下でバスはとまった。誰もかれも皆興奮したような足取りでカメラをねらっている。
私はバスを降りてすぐ足元に咲いているハマナスをじっとみた。ナスという言葉から、私はヒルガホのような草花を連想していた。寮歌にうたわれている「ハマナスあかき」の記憶は、実物をみて裏切られたように思った。赤いというよりも紫色を多分に含んでいる感じである。私の庭のダリヤやオイラン草の花の色と較べた。私は花のかっこうと色から一番似ているものを私の庭の花の記憶にもとめた。