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2016年5月13日

サルトルのボードレール論(3) 松井好夫

 この意味において、私はサルトルのボードレール論を非常に興味深く読みしかも文中ユニックな新解釈を数多く見出し得て、この書も亦充分存在価値ありと認めたのである。
 さて、サルトルのボードレール論に述べられているところは、先ず幼児性感、自己懲罰に始まり、孤独、人工趣味、苦悩性、反自然主義、サド・マソヒスム、アムビヴァレンツ、ダンディズム、拝物愛、不毛性、冷感性、屍姦等の諸点に及んでいる。
 このうち、幼児性感や自己懲罰については、精神分析学派のつとにとり上げたところであり、これと云って目新しいところはないが、それ以外で、私の特に意義深く感ずるのは、ボードレールの不毛性、冷感性、反自然主義、人工趣味、拝物愛、屍姦と云った一連の緊密なつながりを、まことに心にくいまでにみごとに解明している点である。サルトルの指摘している上述の諸現象はすべて同一の基調から発しているものであり、同意義なのである。



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