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2016年5月16日

akira's view 入山映ブログ 日米関係

 前の総理が完膚なきまでにぶちこわした日米の信頼関係を、現政権、特に前原外相が懸命に修復にあいつとめつつあるという構図だ。さて米国側でこの日本の姿勢に対する評価はどうか、ということになると、アジアのどこへ行っても口当たりの良いことしかおっしゃらないオバマ政権の高官たちの好意的な発言は額面通り受け止めかねる。さりとて、ホワイトハウスだ、キャピトルヒルだの要人と「さし」で話したところによれば、という能書き付きの外交評論家諸氏のコメントもこれまた眉唾に近いものなきにしもあらず。一体片想いで思い詰めているのか、あちらさんもまんざらでもないのか。そんな関心に少なからず応えるような論説が1月10日付のワシントンポスト(電子版)に掲載された。

 「日米同盟の綻びを縫い合わせる(Patching up our alliance with Japan)」と題する一文は、同紙編集委員のフレッド・ハイアットによるものだ。彼は1987年から90年にかけて同紙の日本支局長を勤め、日本を題材にした書物もある知日派だ。ということは米国における一般的なものの見方よりは、かなり日本よりのコメントだと考えるべきなのかもしれない。が、なかなか面白い内容なのでかいつまんで紹介してみたい。

 前原外相の訪米とその際の筆者とのインタビューを中心に展開する論説で、筆者は前原外相の言動に対して極めて好意的である。「余り例を見ない率直な発言」をする「テレビ映りがよく人気の高い政治家で、将来の首相候補」が「同盟関係と民主主義と自由貿易に対する共通価値観」を強調したことによって、救い難い(helpless)鳩山によってかなり不安定になってしまっていた両国関係に好転の兆しが見えるようになったとする。しかし同時に、それは中国に対する幻滅による日米同盟の再評価という要素も大きいことを指摘するのを忘れない。一時期、日本をしのぐ経済力を持った中国とのG−2関係が永年にわたる日米友好関係を浸食するかにみえた時期もあったという。しかし、イラン制裁に対する非協力、対北朝鮮関係、通貨問題、さらには南シナ海における行動、稀土類輸出を巡っての重商主義的行動などなど、ことごとく米国の期待を裏切り続けた中国はとてもパートナーたりえないとの認識が一般的になった。

 もちろんヒラリー・クリントンも前原も表立っては、二国間関係、ひいては国際関係、に占める中国の重要性については強調してみせてはいる。しかし、中国やロシアといった独裁国家の行動がどれほど予測不能かを二年間の経験で知ったオバマ政権にとっては、前原外相が述べたように「平和と安定の礎石」である民主主義に立脚した日本との同盟関係は、悪くないではないか、という訳だ。

 安心してばかりもいられない訳で、中国が若干なりと米国の意に沿う行動をとるようになれば振り子がそちらに振れますよ、と反面では言っている。敵失で好転する状況なんていうあやふやな関係に満足するのではなく、日本が積極的に動く方途がどこにあるか。そんなに難しい設問ではない。ただし、答が解っていることと、それを実行に移す政治力とは別な話ではあるのが悩ましくはあるのだが。

2011年 01月 11日



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