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2016年6月8日

akira's view 入山映ブログ 政局往来(2)

 両院の構成が「ねじれ」ている限り、どちらか野党が強い方で与党閣僚の問責決議案を出せば通るに決まっている。それにいちいちとりあって閣僚の首をすげ替えていたのではそもそも行政が立ち行かない。無視するに限るとは前に(2010.12.11「政局往来」)も書いた。仮に首相の問責決議を出せばどうなるというのだ。こんな解りきった道理も、当面の「国会審議の円滑化」のために引っ込めざるを得ない弱腰が、今度は回り回って、首相の首と引き換えに予算を通せという話になりそうではないか。菅さんも珍しく良いことを言うもので、「首相の首と引き換えに予算を通すとか通さないとか、そんな旧い体質の政治をするつもりはない」と。その言やよし。ただ食言宰相が続いているから額面通りに頂いてよいかどうかは懸念も残るが。

 それでは予算が通らなくても良いのか、という話になる。こういうのを悪しき二者択一の設問というのだが、敢えてそう問われれば、その通りというほかはないだろう。もちろんそれで割を食うのは国民の方で、当面政治家諸公は痛くも痒くもない。それで割を食った国民からの審判が下るのは次の総選挙(あるいは参議院改選)の時に過ぎない。それだって、あれはあっちのせいだ、こっちが悪い、と三分の理を言い立てての選挙戦になるに決まっているから、即死という訳でも、死ぬと決まった訳でもない。人間明日までのばせる決断を敢えて今日するのには相当の覚悟が必要だ。ということは、まずそんなことにはなるまいというのが世の常識だろう。

 かにかくに馬鹿馬鹿しい茶番劇を何度かやっていれば、流石にあきれ果てた国民が一党独裁を選ぶか、知恵者が出て来てなんとか打開策を講じるか。前者の方は共産党やナチスの例を引くまでもなく、自民党半世紀でいささか懲りている筈だから、後者になるだろうと希望的観測でもしてみますか。そうなるためにはどんな前提条件が必要だろうか。先ずダメな方からいえば、敗者は潔くあれ、ということにはなりそうもない。つまり、貴重な税金を使って選挙をしたあげく例えば衆議院で過半数でも取った党があれば、原則として次の選挙まではよくよくのことがない限りその党に、場合によっては首班指名を受けた人に次の選挙までやっていただく、というルールをみんなで承認する、ということだ。ついこの間の党首選挙で過半数を取った人をあっさり見限って会派離脱などという訳の解らないことをする人がいるところを見ると、これはとても無理な相談だろうね。これだけはやめにしよう、みたいなルールができないかという相談なのだが、これは成文化するものではなく、積み重ねの文化のようなものでなくては長続きしない。その意味では罪刑法定主義みたいな訳にはゆかないこと、相撲の八百長と同じだ。で、この文化は出来始めてまだ二年。当分我慢するしかないだろう。中国やイランになるよりはなんぼかマシだろうから。

2011年 02月 19日



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