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2016年6月15日

akira's view 入山映ブログ 大地震

 文字通り未曾有の大地震が発生した。甚大な被害を被った地域とは比較する術もないが、東京都心部にあって、いわゆる帰宅難民の一人という状態を経験したので、感じたこと二点を書き留めておきたい。

 先ず第一に、携帯電話に対する依存度がいかに高いか、ということを痛感すると同時に、それが機能しなくなったときの不便さの大きさも同時に感ずる事になった、ということだ。地震発生以来、深夜に至るまで、ということは十時間を超えても、携帯電話はごく一部しか機能しない状態が続いた。地震被害という意味では、首都圏ではさほど深刻な状態に陥らなかったものの、非常時における通信手段としての無力さには、日常の依存度が高い分だけ、何とかならないものか、という感が深かった。携帯電話に限らず、平常時の対応能力と非常時の対応能力のギャップについては、危機管理という見地から対策を考える一つの契機ではないかと思う。早い話が、崩壊した建造物にとらわれたとした場合、ライフラインとしての携帯電話が全く無力だ、という事実は、構造的な問題だから仕方がない。つまり、加盟者が一斉に通話する状態には対応する術がない、といってすまされるものかどうか。そのギャップによって利益を得ているという事実がある以上、なんらかの手段が開発できないかどうかは真剣に検討してよいのではないか。地震発生直後、通じなくなった携帯を片手に、最近めっきり減った公衆電話ボックスの前に長蛇の列をなす人々を見るにつけ、その感を深くした。

 第二に、他の私鉄に比べて、非常事態に対するJRの対応能力の低さと一種の非人間性、あるいは官僚的な対応が目立ったということだ。地震に対する抵抗力の強い地下鉄は別にしても、私鉄各社は深夜から順次運行を再開し、帰宅難民の救済に全力を挙げる姿勢が目立った。ところがJRははやばやと終日運行停止を公式発表してから、全くうんともすんとも利用者に情報を提供しないまま、一部区間で運行再開したのはようやく午前七時。山手線に至っては九時になっても運行再開していない始末だ。いろいろ理屈はおありになるだろうが、対応能力の低さは否めまい。平行路線における他の私鉄に比して、運転再開が十時間も遅れる、というのは、かつて国鉄時代に対応技術能力の段違いの高さを誇ったのに比べて隔世の感がある。事故時によってたかって叩かれたのに怯えて、何もしなければ事故の起こりようがない、と不作為を決め込んだとさえ利用者の目に映りかねないのはいささかならず問題だと思う。深夜のJR駅がシャッタ
ーを降ろして一切の利用者とのコミュニケーションを断っているお隣で、地下鉄駅には利用者の長蛇の列が出来ている状態は象徴的だった。

2011年 03月 12日



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