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2016年6月17日

akira's view 入山映ブログ 東京電力

 かつて知日派の外国人三人が、日本経済の現状と将来についてパネル・ディスカッションを行った時、日本企業のあり方のような話題になった。聴衆から、もしかして今こどもを就職させるとしたら、どんな企業を選びますか、という質問が出た。三人は異口同音に公共企業(public utility)だと答える。安定している上に仕事が楽で、適当に威張っていられるし何より給料が高い、という訳だ。ことほどさように電気・ガス業界というのは地域独占の上に安住して、結構なご身分だ、ということだろう。

 こと電気に限ってみても、太陽光発電を巡ってはほとんど愚劣としか言いようのない買い上げ制度を導入したり、エネルギー事情の将来展望について定見を欠く場当たりとしか言いようのない対応が目立つ。競争のない企業がいかに堕落し、進取の気概を欠くようになるか、というのはこれまでにもいくつかの実例を目の当たりにして来たが、この業界も例外ではなかった、ということだ。とはいえ、世界でも類を見ないほど高品質の電力を供給していることも事実だが、エネルギーの将来を見据えた対応とか、顧客のニーズに対応した機敏な身のこなし、ということになると当然のことながら、満足する水準には遥かに遠い。

 これに監督官庁が寄生する構図も別に珍しいものではないが、もたれあいのおぞましさは、これまた蓮舫さんにでもいつか摘出して頂くほかはないだろう。今回の計画停電を巡る顧客無視のドタバタ騒ぎは目に余るものがあったが、これもその体質の延長線上にあるとしか言いようがない。あい願わくばこれを契機に、下っ端の役人や電力会社の重役が頭を下げて幕にするのではなく、体質そのものの近代化にメスを入れてほしいものだ。

 それにも増して罪深いのは原子力発電所を巡る一連の不手際、あるいは犯罪的でさえある怠慢だ。事故が起こってから後でしたり顔にこうすべきだった、ああすべきだ、というテレビ出演者のようなことを言うつもりはない。が、住んでいるところの近くに原発を建設されるのはいやだ、というのをNIMBYだといって冷やかしたりできないような事態が発生している。日本のエネルギー将来構想から、今のところ原子力発電大幅導入以外の選択はあり得ない。これに原子炉ではないが水をかけた、というのでは冗談にもならないではないか。この不信感を払拭するのは簡単なことではない。半径20キロの人々が退避させられた事実も消えることはない。災いを転じて福となす、という知恵が、温室と因習、さらには権益の美味しい風土に慣れ親しんだ電力会社からでてくるかどうか、それが無理ならどうするか、そういうことをするのが政治の筈なのだが。

2011年 03月 15日



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