2016年6月24日
韓国への旅(5) 砂原美智子
話は少し飛んでしまうが、もう一つ感心した事、それは夜十二時を期して一斉通行禁止になる事であった。十一時半のサイレンがなると如何なる人も一歩も外を歩けない。うっかり歩いているとお巡りさんに引っぱってつれてゆかれる。留置場入りである。この為にお酒を飲んでどんなにい々気持ちになっていても、十一時頃になると皆ソワ々々と気持ちの上で落ち着きを失ってくるし、さっさと帰り仕度をしてしまう。遊ぶ事があまりにも無制限にだらしなくなっている日本人には大変すっきりと気持ちよく感じられた。特に女の私には大賛成で、日本もこういう事になれば世の女房族は男性の御帰還にイラ々々する事もなくなり、時間通りきちんと帰って来る御主人をどんなに喜ぶ人の多いことだろうと、うらやましくさえ思われた。いさ々か男性攻撃になるけれども、日本男性のお酒に対するだらしなさは、世界一だと常日頃思っているので……。
一週間位の旅行では本当にみてきた事にはならないだろうし、庶民一般の耐乏生活、貧困状態などについてふれる機会はえられなかったが、思いがけない楽しい旅であった。