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2016年6月29日

akira's view 入山映ブログ 海外メディアの震災報道

 フランス在住の畏友土野繁樹氏が、今回の原発事故に関するフランス・ル・モンド紙の論調の有志による日本語訳(www.francemedianews.com)と、米国のネット新聞ニュースマックス記事を送ってくれた。余り日本で耳にしない議論を含んでいるので、その部分を中心に紹介してみたい。

 3月30日付ル・モンド(フィリップ・ポンス)は、事故に対する日本における論調として日経新聞の岡部論説委員の所論を紹介した後で、要旨次のように述べる。
「1960年代以降日本は、水俣病に代表される公害問題のように、国民にリスクを負わせながら高度経済成長に向かって猛進してきた。 その歴史的そして経済的な背景、リスクの度合いは今回とは違う。しかし、国民の健康を一番に考えず、予防原則(principe de précaution)を尊重しない点においては、当時の環境汚染者の考え方と今日の原子力関係者の態度はそう違うものだろうか?原子力関係者達はこの原則を十分考慮に入れていたと言えるだろうか?いずれにせよ、短期の収益性が長期の安全性よりも優先されていたことは確かである。
 さらに、政治の怠慢、行政と私的な利益の癒着がさらに状況を悪化させた。原子力の管理を「収益性」を目的とする民間企業に委ねて良いのだろうか?もしそうだとしたら、国益を守らなければならない国は、どのようにそれら民間企業に「社会的責任」を負わせることが出来るのだろうか?
 国による管理強化に当たり、いくつかの選択肢がある。「日本人はジレンマを抱えている。現実となった危険を前に、このまま盲目的に政治エリートに追従していくのか、それとも持続可能な開発の道を選ぶのか。いずれにせよ、これらは両立することは出来ない。」と立教大アンドリュー・ウィット教授は語る。大災害は日本を新しい時代へと招いた。これが国の歴史の転換期であり、今こそ自分達の意見を表明し、現在のエリート達にはもう服従しないという意識変革なしでは、日本国民の未来はない。

 さらに3月13日付米国ニュースマックス(ケン・ティンマーマン)はその記事の中で米国政府高官の談話として「即座に(冷却用)発電機を空輸しようと申し出たのだが、日本側に拒否された。あの人たちはとても誇り高いからね。」また、ホワイトハウスは震災と津波の後、文字通りノンストップで日本救援のための会議を開いていたが、その中で即座に「家ほどの大きさの」発電機を送ろうとも申し出たが、日本政府は援助を拒否した、とも報じている。ニュースマックスとは別のソースではあるが、米国海兵隊がこれまた地震直後に救援派遣を打診して日本側に断られたという話もある。それぞれのケースでどなたがお断りになったのかは知らないが、日本のマスコミにはなぜか登場しない話なのが面白い。

2011年 03月 31日



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