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2016年7月7日

akira's view 入山映ブログ レベル7

 今回の原発被害はレベル7でチェルノブイリ級だという。これまでに報道されていた事故報道からすると随分唐突な内容だという感が深い。専門家が寄り集まって審議なさっているのだからそれなりの理由があってのことだろうが、情報を小出しにして、しかも被害や危険度を可能な限り楽観的に開示しているように見えて仕方がない。早い話が、過熱による水素爆発で原子炉内の放射性物質が空中に飛散し、それによって(気候条件等によって変動することはあるものの)これこれの範囲にこれこれの程度の放射能汚染が発生する、というような発表は聞いたことがない。従って、その汚染がいつまで続くのか、逆に言えば安心できるような状態になるのはいつ頃なのか、といった情報も皆無だ。いらざる不安をかき立てる情報は提供したくない、ということだとすれば、随分被害者を愚弄した話だと思う。

 起こってしまったものは仕方がない。専門家が事態収拾に当たっているから心配せずに委せておけばよい。よくよく危険度が高かったり、周知せねばならぬ情報があるようなら発表するから、それまではいらざる詮索は無用だ、と言わんばかりの対応ではないか。そうだとすれば、まさに知らしむべからず、依らしむべしの典型例だと言われても仕方あるまい。それも、この種情報というのは別に特殊で一般市民の理解を超えるものでも何でもない。一例を挙げれば、五年ほど前に出版され、今回の事故で急ぎ復刻出版された古長谷稔著「放射能で首都圏消滅」(三五館)は、浜岡原発の危険性を中心に、ややセンセーショナルに取り上げた書籍だが、その主張の当否は別にして、水素爆発による放射性物質の拡散や、原子炉周辺の輻輳した配管の危険性などについて極めて明快に指摘している。

 後知恵で「そんなことも解らなかったのか」と言っているのではなく、予見され、かつ周知の事実であったことについてさえ的確な対応をしていない、ということになると、潜在的な意図を疑われても仕方がない、ということだ。東京都民が乳児に水道水を飲ませられなかったり、平和に暮らしていた人々が予告なしに、あるいは一ヶ月の予告期間で生業補償さえない環境に放り込まれたり、生産物を廃棄処分せざるを得ず、ために無収入になる一次産業従事者が多発する、というのは異常事態だ。その終熄を急がねばならぬのはいうまでもないが、なぜそんなことになり、いつ頃までそれが続くのかを(判明している限り)的確に示す、というのは政治が最低限行わねばならぬことだろう。

 そんな最中にまた闇将軍のお出ましだ。菅政権打倒だとおっしゃる。ずれているのもここまで来るとほとんど犯罪的ではないか。早々に引退して頂きたいものだ。

2011年 04月 14日



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