2016年7月22日
akira's view 入山映ブログ 近事往来(4)
昨今の政治のありようは、その話題に触れるのさえおぞましい、というのが大方の印象ではないだろうか。菅首相の器については先に(4.11「将の器」)触れたから繰り返さない。だからといって第一に誰に代えたらうまく行くというのか。それにも増して第二に、何をどのようにしようというのか。間もなく罹災後三ヶ月になろうというのに、いまだ瓦礫の始末もつかない。それどころか避難所生活を余儀なくされている人が何万人もいる。原発からはいまだに放射能が垂れ流されているかいないかさえ判然としない。そんな最中に、やれ注水を止めたのは誰かとか、辞めるといった言わないにうつつをぬかす政治家というのは一体どんな精神状態なのだろう。
谷垣さんもすっかり男を下げた。TPOに応じて何が重要でどうすればよいかを的確に判断するのが指導者たるものの資格要件だとすれば、彼は全くそれを欠いている。念頭にあるのは政局であり、党内のガス抜きだけだ。野党第一党がこれでは全く救いがない。したり顔で菅首相を糾弾する議員に至っては、こんな輩に税金が使われていると思うと情けなくなりはしないか。
民主党内の小沢、鳩山両氏には、もうそろそろ舞台から消えて頂きたいと思う。除名が怖くて不信任案採決直前に方向転換をされたのかどうかは関知しないが、片や党首戦で負けてノーサイドを誓った人とは思われないし、もう一人も、やれ温室ガスを25%減らすの、基地は県外にするのと大ボラを吹いて日本というクニの信用を失墜させた張本人がヒトを嘘つきよばわりするのは目くそ鼻くそを笑うの類いか、盗人猛々しいというべきか。それに追随していっぱし国士気取りの陣笠諸氏については論評に限りではない。
渡辺さんの「みんなの党」もその他大勢の野党の中にすっかり埋没した。「この忙しい時に何が不信任案だ」とでも啖呵を切れば存在感はいや増したであろうに、惜しみても余りある。と書き進んでくると、この国の政治家はおしなべてどうしようもない、救いがない、というだけの話になりそうだ。菅さんのお好きな最小不幸社会ではないが、より少ない悪(lesser evil)を選択するのも民主主義だとすれば、菅首相には任期いっぱいまで頑張ってもらう他はないのかもしれない。やれやれ。
2011年 06月 04日