2016年7月22日
現代文明と精神座談会(2) 出席者:尾崎一雄/荻野彰久/斎藤玉男/島崎敏樹/丸山薫
丸山 結局桑原君たち一隊ですね。三高、京大という、そういう点で昔に対する郷愁もつよいし、愛校心もあるんです。ぼくはおなじようなんですが、京都大学じゃないんです、三高です。なんだかおかしいんですよ。いまどきそんなことを老人がやってるのは。(笑)だけど(尾崎氏に)あなたなんかは?
尾崎 ぼくはやはり学院から早稲田へ行ったでしょう。気になるんですよ今日なんか。東大と早稲田の野球……。
島崎 昨日も苦戦しましたですね。実際妙なもので、私は東大医学部でしたけれども東大にはまるで郷愁はありませんし……。それで野球になりますと東大はみじめでしょう。たまには勝てばいいと思います。
尾崎 早稲田のやつは東大は、気風として好きなんです。慶応も、嫌いじゃないんです。ライバルではありますが、明治や法政が嫌いですね。
荻野 それはそうですね、わかるような気がしますね。
尾崎 理由はわれわれにはわからないですよ。妙なものですね。
丸山 野球試合は早稲田と慶応にまかしとけということですね。
尾崎 まあ、それは、昔の老舗(しにせ)が、衰えちゃった老舗ですからね。
島崎 今早慶戦というのは昔の一高三高みたいになりましたね。
尾崎 お客は入りますね、妙なものです。